和風住宅に適した外壁塗装のポイントをまとめて紹介
最近その良さが見直され、注目が集まっているのが和風住宅です。
和風住宅の外壁塗装をする際には、デザインの特性を活かしながらセンス良く仕上げる必要があるでしょう。
和風住宅の特徴を知って、メンテナンスのポイントを押さえておくことで、失敗なく外壁塗装をすることができます。
ここでは、和風住宅に適した外壁塗装について詳しくみていきましょう。
目次
和風住宅とは
日本では、古くから木造住宅が主流でした。
木造軸組工法と呼ばれる造りで、畳や障子といった自然素材を多用するのが特徴です。
近代では、戦時中に火災などで多くの建物が失われたため、戦後の復興期には住宅が大量生産されました。
その際に、欧米から建築材が輸入され、建築技法が取り入れられています。
このような背景から徐々に洋風な住宅が増えていき、昔からある木造軸組工法の住宅を「和風住宅」と呼ぶようになりました。
和風住宅の定義は、はっきりとは決められていません。
一般的には、和風住宅と言うと多くの方は「瓦屋根の木造建築」を思い浮かべるかと思います。
築年数が経った重厚な趣の和風住宅はもちろんですが、最近ではぬくもりを感じられる和風住宅に再び注目が集まり、新築時に和風住宅を選ぶ方も増えてきています。
和風住宅には、日本の風土に合わせた快適さがあります。
大きな軒は夏には日差しを遮り、冬には日差しを取り込みやすくなっています。
さらに軒は、風雨から外壁を守る役割も果たしています。
和風住宅には、軒の下に「日本風ウッドデッキ」とも言える縁側が設けられており、建物の外と中をつなぐ役割をしています。
縁側は省エネにも貢献していて、冬場には冷気を入れずに、日差しの暖かさだけを取り込むことができます。
このように、和風住宅には日本の気候に合わせて暮らす工夫が詰め込まれています。
木材で作られた建物は、適切にメンテナンスをすれば100年以上も住み続けられると言われています。
和風と和モダンとの違い
和風住宅と似た言葉で、「和モダン住宅」と呼ばれるものがあります。
和風住宅は、工法から建材、インテリアまですべて和風のものを使うイメージですが、和モダン住宅は和風住宅と洋風住宅の良い面を取り込んだ住宅と言えるでしょう。
現代的な住宅の便利さを取り入れつつ、引き戸や障子、薪ストーブなどの和風のアイテムを組み合わせて、居心地の良い空間を作るのも和モダンの魅力のひとつです。
何かしら「和」を感じさせるものがあれば、「和モダン」は成立します。
このように和モダンは、幅広くとらえることができます。
和風の「居心地の良さ」と洋風の「デザイン性」を両立させた和モダンは、若い世代を中心に人気です。
古い家屋を、和モダン風にリノベーションする事例も増えています。
外壁塗装をする際には、和風住宅や和モダン住宅のデザインを活かして、建物全体の調和を考慮しながらリフォームの内容を検討していくと良いでしょう。
和風住宅の特徴
和風住宅によくみられる特徴的な外観には、以下のようなものがあります。
外壁塗装と合わせて、メンテナンスをする際の注意点も知っておくとよいでしょう。
瓦
日本家屋=瓦と言ってもよいほど、古くから日本の家屋で使われているのが瓦です。
元々は和瓦といって、陶器を原料としたものが使われていました。
近年では、軽量化したセメント瓦も使われるようになってきています。
和瓦とセメント瓦は、形状に違いはないので見た目には同じように見えます。
しかし素材が異なるため、メンテナンス方法に違いがあるので注意が必要です。
和瓦は非常に耐久性が高く、防水性があるため塗装を必要としません。
一方、セメント瓦は水が浸透してしまうため、防水性を高めるために塗装をしてコーティングします。
塗装は経年劣化するため、定期的に再塗装が必要です。
セメント瓦への塗装は、外壁塗装と同じタイミングがおすすめです。
足場を組む作業は費用がかかるため、一度に済ませた方がコストパフォーマンスがよいからです。
外壁の色に合わせて、瓦の色を塗り替えることもできます。
漆喰
和風住宅でよく使われる外壁材に、漆喰があります。
漆喰は、水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを主成分とした塗り壁材です。
漆喰は耐久年数が長く、100年以上もつとも言われています。
左官屋が手作業で塗るため、独特な風合いがあり、手作りの温かみが感じられます。
大規模なメンテナンスは不要ですが、汚れ落としや補修を適宜行います。
簡単な汚れは、消しゴムで消すことができます。
比較的水に弱いので、高圧洗浄は向きません。
傷やひび割れができてしまった場合には、漆喰の塗り増しなどを行い補修します。
漆喰が剥がれるなど、全体的に劣化してしまっている場合には、漆喰を剥がし下地調整をした上で塗替えをします。
漆喰の上から塗料を塗ることもできますが、漆喰との相性を考えて商品を選ばなくてはなりません。
既存の漆喰以外の外壁に対して、漆喰を使ってリフォームすることも可能です。
ただし、サイディングの外壁材の場合には外壁の張り直しが必要となり、大規模な工事になってしまいます。
既存の外壁がモルタル壁の場合には、比較的スムーズにリフォームができます。
漆喰はじっくりと乾燥させながら仕上げていくため、工事期間が長くなるデメリットがあります。
最近では漆喰風の外壁塗装材も出ていますので、本物の漆喰にこだわらない場合には検討してみるとよいでしょう。
モルタル
モルタル外壁も漆喰のように意匠性が高く、模様を付けた立体的な仕上がりで高級感を演出できる外壁材です。
日本の家屋でも、長年使われてきた実績があります。
しかし、手作業に頼る部分が多く、工事の時間がかかるため、近年ではあまり採用されなくなっています。
モルタルはセメントと砂を原料としており、それ自体に防水性がありません。
そのため、塗装をして仕上げています。
塗装は10年程度で劣化するため、再塗装が必要です。
また凹凸がある表面には汚れがたまりやすいので、定期的に塗装をして綺麗にする目的もあります。
モルタルはひび割れが起きやすいため、塗装の前には補修を行います。
モルタルへの塗装は、ローラーや吹付け、左官仕上げなどがあります。
好みのデザインに仕上げることができるので、外観にこだわる方にもぴったりです。
和風住宅に合う外壁塗装色
和風住宅への塗装は、和の趣を醸し出せるような色の調和を心がけると上手くいきます。
ここからは、色選びを成功させるためのポイントをご紹介します。
伝統色を使う
日本で古くから好まれている色や、着物などで用いられている色は、独特の雰囲気を持っており伝統色と呼ばれています。
伝統色は、日本の風土に合った、豊かな自然と調和するような色合いです。
その色名を見ると、身近な動物や植物にちなんだものや染め物の材料からとった名前が多く、日本人の生活に密着していることが伺えます。
伝統色は、少しくすんだような彩度の低い色味が特徴です。
伝統色には、多種多様で数えきれないほどの数があります。
外壁の塗装色を考える場合には、まずベースとして、紺色、藍色、臙脂色、藤色、若草色、小豆色、鼠色、呂色、のいずれかを選んでみましょう。
これらは和風を代表する色で、外壁に使用しても違和感のない色です。
木目を活かす
和風住宅といえば、木造のイメージがあるでしょう。
木材をふんだんに使うことで、和の雰囲気が感じられます。
軒天や破風板、鼻隠しといった場所に木材が使われていることが多いようです。
木材はそのままでは水に弱く腐りやすいので、定期的なメンテナンスが必要です。
木材が使われている個所へ塗装をする際には、できるだけ木目を活かすようにし、塗りつぶすことは避けてください。
エクステリアとの色合わせ
建物の周囲には、植木や庭、塀やフェンスなどのエクステリアがあります。
外壁は塗り替えで色を変えることができますが、それ以外の部分は色が変えられないことも多いです。
そこで、外壁の色を選ぶ際には、建物だけでなくエクステリアも含めたトータルコーディネートを考えると上手くいきます。
可能であれば、実際の外観写真を使ってカラーシミュレーションをしてみましょう。
外へ出てみて、俯瞰的に眺めてみるだけでもイメージがつきやすくなります。
忘れがちですが、エクステリアのことも念頭に置きながら、色選びをしてください。
汚れが目立ちにくい外壁色がオススメ
和風住宅に似合う伝統色は、くすんだ色味が多いので、比較的汚れは目立ちにくいでしょう。
ただし、「交通量が多い道路が近くにある」「樹木が建物の近くにある」など、汚れやすい立地の場合には、できるだけ汚れの目立たない濃色を選ぶことをおすすめします。
また、塗料の機能として防汚効果の高い商品もありますので、検討してみてください。
和風住宅の外壁塗装のポイント
和風住宅はとても魅力的ですが、ポイントを押さえていないと思わぬ失敗をしてしまうことがあります。
ここからは、和風住宅ならではの外壁塗装の注意点を挙げておきます。
マット仕上げがおすすめ
外壁に塗る塗料は、ツヤの程度を好みで選べます。
商品によっても異なりますが、ツヤなし、三分艶、五分艶、七分艶、ツヤありといったような選択肢があります。
ツヤありは、ピカピカとした仕上がりで、塗りたての気持ちよさを味わうことができます。
表面がツルツルとしているため、汚れが付きにくいのもポイントです。
一方で、ツヤがありすぎると派手に見えてしまうケースや、落ち着きがなく見えてしまうケースがあります。
和風住宅には、重厚で落ち着いたデザインが似合います。
そこで、あえてツヤなしあるいは三分艶などツヤを抑えた塗料を選ぶとよいでしょう。
ツヤを抑えたマットな仕上がりは、瓦や木部との相性もよく上品な印象になります。
造膜型塗料と浸透型塗料
和風住宅には軒天、面格子、雨戸など木材が多用されています。
木材への塗装は、サイディング系やモルタル系の外壁への塗装とは塗料の種類が異なります。
木材の特徴として、まず調湿作用が挙げられます。
これは、湿気を吸ったり吐いたりして、収縮する作用のことです。
また、表面の木目には豊かな表情があります。
和風住宅では、特に木目を活かして使われていることが多いです。
そして、木材独特の触れたときの質感も大切です。
これらの特徴を活かすため、木材には専用の塗料が使われます。
木材用の塗料には、大きく分けて造膜型塗料と浸透型塗料の2種類があります。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、目的に合った塗料を選ぶとよいでしょう。
造膜型塗料
造膜型塗料は、木材の劣化を防ぐために、塗装をして表面を塗膜で覆い外部の刺激から保護します。
一般的な外壁用の塗料と、同じ考え方のものです。
メリットとしては、しっかりと覆うことで耐水性が高まる点が挙げられます。
ツヤあり、ツヤなしといった塗膜のツヤの調整も容易です。
デメリットとしては、塗膜で覆われるため木材独特の質感が失われる点が挙げられるでしょう。
また、木材の伸縮に塗膜が追従できずに、ひび割れや膨れ、剥がれを起こしてしまうことがあります。
浸透型塗料
浸透型塗料は、木材の内部に塗料を浸透させることで、木材を強化して劣化を防ぐ塗料です。
日本では古くから「柿渋」や「桐油」「亜麻仁油」などの油を用いて、木材を長持ちさせる工夫をしてきました。
その他にも、石油化学製品を使った浸透型塗料があります。
メリットとしては、表面を覆ってしまわないため、木材の調湿機能や質感をそのまま活かせる点が挙げられます。
また、塗料の効果が落ちてきた際には、上から重ね塗りをすることができるため、メンテナンスが容易です。
デメリットとしては、造膜型と比べると耐久性が低いことが挙げられます。
撥水性や防カビ性はあるものの、高い保護力はないため、くり返し水分が付着するとダメージを受けてしまいます。
また、塗料は内部に浸透して表面に残りにくいため、ツヤはあまり出せません。
和風住宅を熟知している業者に依頼する
和風住宅には、瓦屋根や木部など、専用の材料が使われています。
そのため、それぞれの素材の特徴を理解した上でのメンテナンスが欠かせません。
最近では、サイディングの外壁を使っている住宅が主流です。
この流れから塗装会社も、サイディング系外壁への塗装工事を主に取り扱っているところが多いです。
このような状況から、古くからの和風住宅のメンテナンスに精通している業者は少なくなってきています。
せっかくの和風住宅の良さを活かすには、和風住宅のメンテナンスを得意とする業者に依頼したいものです。
業者選びを慎重に進めることも、外壁塗装成功への近道です。
和風住宅の外壁塗装も辻塗装にご相談ください
和風住宅とは、日本古来より作られてきた、木材を多用した住宅を指します。
和風住宅には日本の風土にあった工夫が施されており、その快適さに近年また注目が集まりつつあります。
現代風の住宅とは異なる素材も多いことから、和風住宅のメンテナンスには専門の知識が必要です。
住宅を長持ちさせるためにも、知識豊富な塗装業者に相談してください。
もし、福岡で和風住宅のメンテナンスを検討中なら、私たち辻塗装が力になります。
辻塗装は、創業40年を迎えた経験豊富な塗装業者です。
地域の施設やビルも手掛ける豊富な知識と実績で、和風住宅にあったメンテナンスをご提案いたします。
ご相談やお見積りは無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。