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外壁塗装の塗り替えは要注意!乾燥不足が引き起こす不具合とは?

残念ながら、外壁を塗装したばかりなのに、剥がれてきてしまったり、塗膜が膨れてしまったりすることがあります。 その原因のひとつとして挙げられるのが、塗料の乾燥不足です。

外壁の塗装では通常3~4回にわたって重ね塗りをしますが、その都度しっかりとした乾燥が必要になります。
しかし、業者の知識不足や手抜き工事などで乾燥時間が足りなくなってしまうと、剥がれなどの不具合が起きてしまうのです。

外壁塗装は高額な費用がかかりますから、不具合は避けたいものです。 塗装を成功させるためのポイントを押さえておき、トラブルを未然に防げるようにしましょう。

目次

塗料が密着する仕組み

外壁に塗料を塗るというのは、実は複雑な作業です。
単純に塗るだけでは塗料がすぐ剥がれてしまうので、いろいろな技術的な工夫を加えながら密着させています。
一例を挙げると、以下のような工夫を施しています。

・外壁材に少しでも塗料を付きやすくするためにヤスリで削って表面をザラザラにする
・外壁材へ塗料が染み込んでしまうのを防ぐため下塗りを塗る
・中塗りをして、できるだけ平滑な状態にしておき、上塗りをできるだけ綺麗に塗れるようにする
・上塗りをさらに密着度を高め耐久性を高めるために2度塗る

このような工夫をして、ようやく綺麗で長持ちする塗装が完成します。

外壁塗装に使用する塗料は、主に「合成樹脂」「顔料」「添加物」「揮発成分(有機溶剤又は水)」の4つで構成されています。

・合成樹脂・・・アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの樹脂。塗膜のベースとなるもの。
・顔料・・・主に色をつけるためのもの。
・添加剤・・・防藻、防カビなどの機能を追加するためのもの。
・揮発成分・・・溶剤塗料の場合は有機溶剤。水性塗料の場合は水。

塗料のベースとなる合成樹脂や顔料だけでは、粘度が高く塗装することができません。
そこで、有機溶剤や水で希釈して塗りやすくしてあります。
塗り終えた後に有機溶剤や水が揮発することで、合成樹脂などが塗膜として残り、密着するという仕組みになっています。
ここで、有機溶剤や水をしっかりと揮発させる、乾燥という工程が重要になります。

外壁塗装で乾燥が必要なタイミング

工事の途中で、乾燥が必要なタイミングは何度もあります。
外壁塗装工事の、一般的な工程を見てみましょう。

1.足場の設置
2.高圧洗浄(乾燥)
3.下地処理
4.コーキング打ち替え(外壁材による。先打ち工法の場合)(乾燥)
5.下塗り(乾燥)
6.中塗り(乾燥)
7.上塗り(乾燥)
8.足場の解体

このように、工程の半分以上で乾燥が必要です。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

高圧洗浄後の乾燥

高圧洗浄で壁を洗った後には、乾いた状態に戻す必要があります。
なぜなら、外壁材に水分が残ってしまっていると、塗料が付きにくくなってしまうからです。
2日間ほどかけて、しっかりと乾燥させます。

コーキング打ち替え後の乾燥

窯業サイディングボードなどの外壁材の場合には、ボードとボードの境目にコーキング材が充填されています。
多くの場合には、塗装の際にコーキング材の打ち直しを行います。
これは、コーキング材を剥がして新しいものを充填するという作業です。

コーキング材はゴム状の素材で、固まるまでに2~3日程度必要です。
また、乾きにくい冬場では1週間程度かかります。
コーキング材をしっかり乾かしてから、塗装の作業へと入ります。

塗装時の乾燥

塗料は一度塗る度に、その都度乾燥させる必要があります。
もし上塗りを2回行う場合は、1回目に塗り終えた後、乾燥させてから2回目を塗ります。

塗料の乾燥に必要な時間

塗料をしっかりと乾燥させるには、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
乾燥にかかる時間には、気温が大きく関わります。
夏場の暑い時期は乾燥が早く、冬場の寒い時期は乾燥に時間がかかります。

具体的な乾燥時間について、外壁塗装で有名な塗料メーカー日本ペイントのパーフェクトトップを例に挙げてみます。

・パーフェクトトップ(1液水性ラジカル制御形ハイブリッド高耐候性塗料)乾燥時間

5~10℃・・・8時間以上
23℃・・・3時間以上
30℃・・2時間以上

※乾燥時間は目安です。使用量、通風、湿度および素地の状態によって異なります。

このように、気温によって大幅に乾燥時間が変わってきます。
塗料には水性と有機溶剤系がありますが、どちらも同じくらいの乾燥時間となっています。

また、下塗りや中塗りの塗料も、上塗りの塗料とほぼ同じ乾燥時間が必要ですが、次の塗料を塗り重ねるまでに時間を空けすぎてもいけません。
特に密着力の高い塗料の場合、時間の経過とともにほこりやゴミが付いてしまい、上塗り塗料の密着性が低くなってしまうからです。

目安としては、1週間以内には次の塗料を塗り重ねていく必要があります。

雨や雪の時はどうする?

塗り終えて、乾燥時間をとっている間に雨や雪が降ってしまったらどうなるのでしょうか。

塗り終えた直後で全く乾燥していない場合には、塗料に水が混ざったり、塗料が流されてしまったりします。
また、ある程度乾いた状態であっても、艶がなくなったり、表面が白くなったりしてしまうこともあります。
天気予報で雨や雪が心配される場合には、塗装を別の日にずらした方が無難でしょう。

施工できない条件もある

塗装は水分に大きく影響を受けるため、極端に湿度が高い日には施工をすることができません。
これは、塗料や外壁材が水分を含んでしまうと、密着性が弱くなり塗料の効果が落ちてしまうからです。
目安として、湿度が85%を超える日には施工できないとされています。

また、昼夜の寒暖差が大きい時期などの露や、寒い時期の霜にも注意が必要です。
霜の影響を抑えるため、冬場は工事の開始時間を遅らせるなどの対策を行うこともあります。

また、気温が5℃を下回るような極端に寒い日にも塗装は避けます。
5℃以下の気温では乾燥時間が長くなりすぎるため、固まるまでに汚れるなどのリスクが高まるからです。
さらに、低温の時は結露もしやすくなってしまいます。

乾燥不足で発生する不具合

乾燥が足りないまま作業を進めてしまった場合、どのような不具合が起こるのでしょう。
ほとんどの場合、塗装が完了した時点で見た目は綺麗に仕上がっているため、すぐに不具合に気が付くことは難しいです。
乾燥不足によるトラブルは、塗装直後よりも、ある程度時間が経過した後に現れてきます。

ひび割れ、はがれ、膨れ

水分が残った状態の外壁材や塗膜の上に塗装をすると、しっかりと塗膜が密着しません。
そのため、密着しない塗膜が剥がれることや、外壁材と塗膜の間に空気が入り込み膨れてしまうことがあります。

工事業者にとっても、施主にとっても、工期はできるだけ短くしたいものです。
しかし、工事期間を短くしようとして日程を詰め込んでしまうと、乾燥時間が十分とれずに不具合が出やすくなってしまいます。
不具合を防ぐためにも、工期は余裕を持って組んでおくとよいでしょう。

耐用年数に満たないのに劣化が激しい

塗料は塗った後に溶剤や水をしっかり揮発させ、その過程で化学変化が起きることで、はじめて本来の性能を100%発揮できるようになります。
塗料の耐用年数が10年であるにもかかわらず、数年しか経っていない時点で色褪せや汚れが激しい場合には、乾燥不足が原因であることも考えられます。

ところが、劣化を早める原因はいくつも考えられるため、乾燥不足が原因と断定することは難しく、工事の補償は受けられないケースも考えられます。
このようなことが起こらないよう、未然に施工不良を予防することが大切です。

不具合が起きた時はどうする?

塗装直後に剥がれなどの不具合が起きた場合は、施工不良の可能性が非常に高いです。 そのため、まずは施工業者へ相談しましょう。 良心的な業者であれば、無償で対応してくれます。

トラブルを避けるためには、前もって契約時に保証内容を確認しておくことも大切です。
乾燥不足が原因の不具合は、3年後、5年後になって表面化することもあります。
保証によるアフターメンテナンスがしっかりしてれば、安心して過ごすことができます。

もし業者が補修をしてくれない場合には、公的機関に相談できる窓口があります。

住宅リフォーム・紛争処理支援センター

消費者の利益の保護や住宅紛争の解決のための、住宅相談、住宅紛争処理への支援などを行う機関です。
ホームページからの問い合わせや、電話相談をすることができます。
また、弁護士や建築士との対面相談を申し込むこともできます。
原則無料で利用できます。

国民生活センター、消費生活センター

住宅に限らず、消費全般についての被害の救済や情報提供などを行っています。
外壁塗装工事に関しては、主に契約に関するトラブルの相談に適しています。

不具合を防ぐための対策

不具合が起きてしまった後の対応は、とても手間がかかります。
そのため、できるだけ事前に対策をしておきましょう。

乾燥状態の経過を知っておく

乾燥時間に目安はあるものの、実際には日当たりや天候に大きく左右されます。
そのため、乾燥状態は現場で職人が直接確認して、次の工程へ進めるかどうかを判断しています。
乾燥状態には段階があります。

・第1段階 指触乾燥・・・指の腹で軽く触れて塗料が付着しない、ごく初期の乾燥状態。
・第2段階 半硬化乾燥・・・軽くこすっても跡がつかない状態。
・第3段階 硬化乾燥・・・圧迫しても指紋がつかない状態。
・第4段階 完全乾燥・・・内部までしっかり乾燥した状態。

重ね塗りをするためには、半硬化乾燥の状態にする必要があります。
また、完全乾燥までは2週間ほどかかります。

乾燥までは触れないようにする

見た目に乾いているように見えても、内部はしっかり乾ききっていないこともあります。
そのため、完全に乾燥するまでは、塗膜に過度の負担をかけないようにしましょう。
完全に乾燥する前に、壁に物を立てかけるなどすると、塗装が剥がれてしまう可能性があるので注意しましょう。

塗装直後は、洗車や植木の剪定などの作業もできるだけ避けましょう。
塗膜は、完全に乾燥するまでは汚れが付きやすい状態です。
洗剤や土が付くような作業は、完全に乾燥してから行ってください。

工程を事前に確認する

工事の着工前に工程表を見せてもらい、乾燥に十分な時間がとられているか確認することをお勧めします。
下塗り、中塗り、上塗りを1日で仕上げてしまうようなスケジュールでは十分に乾燥することができません。
それぞれ乾燥も含めて、1日ずつといった配分が適切でしょう。

また、雨天の際の予備日も考えられているか確認しましょう。

適切な日程と適切な価格

工事中は施主にとっても不便なことが多く、工期は短い方が良いと思いがちです。
また、「綺麗にして新年を迎えたい」「旅行へ行く前に終わらせておきたい」など、施主の都合で工事のタイミングを調整したいこともあるでしょう。
しかし、丁寧な工事を望むなら、業者へ過度な負担をかけずに余裕を持った日程で施工してもらった方が、良い仕事につながります。

工事の費用の多くは人件費です。
そのため、工期が長くなるという事は費用もそれなりにかかるものです。
極端に費用が安いということは、どこかで手抜きをしていると考えていいでしょう。
できるだけ工事費用は抑えたいところですが、適切な価格で発注することが、長い目で見ると大切な家を長持ちさせることにつながります。

信頼できる業者に依頼することが重要

塗装の作業の良し悪しは、素人が見てもわかりづらい部分が多いです。
また、ひとつひとつの作業が適切かどうかを、ずっと見張っていて口出しをするのは難しいでしょう。
そのため、大切な工事を安心して任せられる業者かどうかを見極めることが非常に重要です。

価格だけで判断するのではなく、「質問をした時に誠実に回答をしてくれるか」「曖昧な返事をせず知識に基づいて話しているか」などといった点を重視するとよいでしょう。
塗装業界は、日進月歩で技術が進んでいます。
常に最新の技術を学んでいる業者だと、なお良いでしょう。

また、契約を済ませてから不審な点に気づいたとしても、工事は進んでしまいます。
そのため、不明な点は必ず契約前に解消しておきましょう。
相見積もりを取ると、業者ごとの違いもよくわかり判断しやすくなります。

高品質な外壁塗装は辻塗装にお任せください

外壁塗装では、工程ごとに乾燥時間を必要とします。
外壁材に水分がある状態や下の塗膜が乾ききっていない状態では、しっかりと塗料が密着しません。
万が一、乾燥が足りないまま塗装をしてしまうと、様々な不具合につながります。

塗料の乾燥には、それなりに時間を必要とします。
そのため、極端に工期が短いような場合は乾燥時間が不足する心配があります。
工期が1週間に満たない場合、手抜き工事や悪徳業者の可能性がありますので注意が必要です。
塗装工事には時間がかかることを念頭におき、優良な業者を選定してください。

もし、福岡で高品質な外壁塗装を実現したいのなら、私たち辻塗装にご相談ください。
創業以来、36年間培った知識と経験で、あなたのお宅に合った最適な塗装をご提供いたします。
もちろん、相談やお見積もりは無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。


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