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レンガの外壁塗装 種類ごとに必要なメンテナンスを紹介

レンガの外壁の建物は、魅力的で目を引きますね。
洋風のイメージがありますが、日本でも歴史的な建造物でレンガ造りの建物はたくさんあります。
最近では、住宅でもレンガのデザインの建物をよく見かけるようになりました。

住宅に使われているレンガの外壁には、実はいくつかの種類があります。
そして、種類によってメンテナンス方法も違ってきます。

ご自宅がレンガの外壁で、「そろそろメンテナンスの時期だけれど、どのようにメンテナンスしたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
「レンガの外壁はメンテナンスフリーと聞いたけど実際はどうなのか?」「他の外壁材のように塗装は必要なのか?」など、大切なご自宅のメンテナンス方法をしっかり理解しておきましょう。

目次

レンガ造りの外壁の種類

一口にレンガ造りの外壁といっても、実は大きく3つの種類があります。
一見しただけではわかりにくいかもしれませんが、本物のレンガの外壁の他にレンガ調のタイル外壁や、レンガ風にデザインされたサイディングボードもあります。

メンテナンス方法を知るためには、まず外壁がどの種類なのかを調べましょう。

レンガ

レンガとは、粘土をベースに泥や砂を混ぜて固めたものです。
レンガの外壁はメンテナンスが不要で耐火性が高く、ヨーロッパでは伝統的に使われています。

しかし、オーソドックスなレンガを使った外壁というのは、日本の住宅ではほとんど見られません。
レンガはとても重く、地震の多い日本ではリスクが大きいことや、施工費用が高いことがデメリットとしてあります。
一方で、レンガ外壁にあこがれる人は多く、日本の風土に合った地震に強いレンガ外壁も開発されています。

たとえば、外壁そのものをレンガで作るのではなく、外壁の外側に少し隙間を開けてもう一枚レンガで外壁を作る方法があります。
この方法では、レンガの外壁を独立させることで住宅への負荷を減らしています。
また、レンガ同士を鉄筋でつなぎ合わせて、耐震性を高めます。

レンガ調タイル

レンガのデザインを模したタイルを壁面に貼り付けて、レンガ風の外壁を作る方法があります。
タイルはレンガと同じく粘土をベースとしているため、見た目は本物のレンガに近い風合いになります。
レンガより軽量なため、施工しやすいことも特徴です。

レンガ調タイルには、「湿式工法」と「乾式工法」と呼ばれる2種類の施工方法があります。

湿式工法では、外壁に下地としてモルタルを塗った上に直接タイルを貼り付けていきます。
乾式工法では、タイルをサイディングボードに引っ掛けていきます。
まずはベースサイディングと呼ばれるボードを外壁として設置し、レールにタイルを引っ掛けながら接着剤で固定します。

乾式工法では、規格どおりのタイルを規則正しく並べるため整然とした仕上がりになります。
一方、湿式工法では、タイルの形も並べ方も自由なので温かみのある印象になります。

レンガ風サイディングボード

外壁材として最も普及している窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料とした板状の素材です。
窯業系サイディングには様々なデザインがあり、中にはレンガ風にデザインされたものもあります。

最近のサイディングのデザインは凝っているため、一見しただけでは見分けにくいかもしれません。
しかし、近づいてみると凹凸が少なく表面が柔らかいので、レンガやタイルとの違いが分かります。

サイディングボードは、大きなサイズのボードを貼り合わせて、継ぎ目にシーリングを充填しています。
そのため、外壁に継ぎ目が見つかればサイディングと考えられます。

自然な風合いという点ではレンガやタイルには劣りますが、施工が容易で、費用を抑えられます。
定期的なメンテナンスが必要ですが、サイディングはほとんどの外壁塗装業者で扱うことができるため、メンテナンス方法で悩むことがなく安心です。

サイディングなら、手軽にレンガの雰囲気を楽しむことができます。

外壁の種類ごとのメンテナンス方法

外壁が本物のレンガか、レンガ風なのか、種類によってメンテナンス方法も違ってきます。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。

レンガ外壁のメンテナンス

レンガは無機質な素材で、石やガラスと同様に日光にさらされたり水に触れたりしても、ほとんど劣化をしない素材です。
また、コケやカビが生えにくいという特徴もあります。

レンガはとても耐久性が高く、外国のレンガ造りの歴史的な建造物では、100年以上の築年数のものが多数あります。
家の寿命が長くても100年と言われる日本においては、レンガの外壁は大きなメンテナンスは不要といえるでしょう。

日本の住宅に使われる外壁材の多くは、耐水性を持たせるため塗装されています。
塗装は紫外線によって劣化するため、10年に一度は再塗装のメンテナンスも必要です。
しかし、レンガの外壁の場合は耐水性が高く、紫外線による劣化もないため塗装が必要ありません。

このような理由から、レンガはメンテナンスフリーと言われています。
経年で色味が変化していくことはありますが、それも味わいの一つととらえることができます。

定期的な塗装のメンテナンスは不要ですが、反対に容易なリフォームが難しいともいえます。
他の外壁のように、塗装でデザインを一新するというようなことはできません。

また、地震の多い日本では、万が一レンガが割れたり崩れたりしてしまった場合には補修が必要です。

レンガ調タイルのメンテナンス

タイルもレンガと同様、無機質な素材のため経年劣化せず塗装が不要です。

ただし、湿式工法の場合、レンガを固定するために使われている目地のモルタルは劣化していきます。
モルタルは気温差に弱く、膨張と収縮を繰り返すことでひび割れが発生することがあります。
また、モルタルの伸縮に耐えられず、タイルが割れてしまう場合もあります。

一方、乾式工法の場合は、ベースの外壁にサイディング材を使用しています。
サイディングは継ぎ目にシーリングが施されているため、シーリングの経年劣化に気を付けなくてはなりません。

また、タイルを引っ掛けるための金属部品のサビなどにも注意が必要です。
メンテナンスはほとんど不要ですが、万が一内部に傷みが生じても外側から発見しづらいため、異変に早く気が付くよう日頃からチェックすることが大切です。

タイルの外壁の場合、定期的なメンテナンスとしては、外壁の洗浄と目地部分の補修が基本となります。
タイルには塗装は不要ですが、敢えて塗装をしたい場合は塗装することもできます。
タイルの表面を保護する目的や、ツヤ出しのために、無色のクリア塗装を施すケースもあります。

レンガ風サイディングのメンテナンス

窯業系サイディングの外壁材は、そのままでは防水性がなく雨が浸み込んでしまいます。
そのため、塗装をしてコーティングすることで雨を浸み込まないようにしています。
塗装で作られた塗膜は、紫外線が当たって変質したり、風雨の刺激で少しずつ剥がれ落ちたりしていくため、10年ほどで効果が薄れてしまいます。

塗膜がなくなってしまうと、サイディングにひび割れが起きたり、雨が浸み込んで下地へ浸水したりしてしまい、雨漏りの原因となってしまいます。
雨漏りを防ぐためには、定期的に再塗装をして塗膜を作り直しましょう。
レンガやレンガ風デザインの外壁のうち、サイディングを素材としたものは塗装が必須です。

また、サイディングは大きな板状のものを外壁に貼り付けていきますが、サイディングとサイディングのつなぎ目にはシーリング剤が充てんされています。
シーリング剤は、5~10年で劣化してひび割れなどが発生するため、シーリング部分のメンテナンスも必要です。

再塗装のタイミングの目安は、外壁の色褪せ、チョーキング現象、コケやカビ、ひび割れなどが起きているかどうかで判断できます。
色褪せやチョーキング現象は、塗料が紫外線に当たってダメージを受けると発生するので、これらの現象が見られたら、塗装が劣化していると考えられます。
特に目立った劣化がなくても、経年で少しずつ劣化が起きているので、塗料の耐用年数を目安に塗装をし直すとよいでしょう。

塗料の耐用年数は、種類によって違います。
塗料はベースとなる樹脂の違いで「ウレタン系」「シリコン系」「フッ素系」「無機系」などがあります。
ウレタン系は、安価ですが耐用年数が7年程度と短めです。
一番普及しているシリコン系は、費用対効果のバランスがよいと言われており、耐用年数は10~15年程度です。
フッ素系、無機系はさらに耐用年数が長く20年以上の製品もありますが、価格も高くなります。

レンガ風サイディングにおすすめの塗装方法

レンガ風のサイディングに塗装する場合は、今のデザインを活かす方法と色を変える方法があります。

クリア塗装

レンガ調のデザインを活かしたい場合には、クリア塗装がおすすめです。
クリア塗装では無色透明の塗料を塗るため、元の色がそのまま残ります。

気に入っている素敵なデザインの外壁をそのままにできるのはメリットですが、もし色褪せや汚れ、補修の跡がある場合には隠すことができず、塗装をしても透けて見えてしまいます。
サイディングの状態によって、クリア塗装が適しているかを見極めるとよいでしょう。
新築から7~8年程度で外壁の状態がよく、汚れや傷みが少ない場合はクリア塗装がおすすすめです。

クリア塗装では、艶の加減で雰囲気を調整することができます。
光沢の強い「艶あり」や、控え目な「三分艶」など艶の割合を選ぶことができます。
艶の量が多い方が、表面がなめらかになりコケやカビが生えにくくなります。

塗りつぶし塗装(二色塗り)

敢えて色を変えたい場合や、色褪せや破損のためにクリア塗装が向いていない場合は、色のついた塗料で塗りつぶし塗装を行います。

ただし、全体を単色で塗りつぶしてしまうと、せっかくのレンガ風のデザインが失われてしまいます。
そこで最近では、二色塗りといって、レンガの凹凸の出っ張っている部分とへこんでいる部分とを2色に塗り分けることで、レンガ風の塗装をする方法も出てきています。
ただ、2色の塗り分けは、職人さんの技量が仕上がりに影響する難しい作業です。

2色塗りでは、いくつかの工法があります。
塗装に使用するローラーの毛の長いもので全体を塗った上で、毛の短いローラーで表面だけを異なる色で塗ることで塗り分ける方法があります。
この方法は、外壁の凹凸がはっきりとしている場合に適しています。
多色塗りの工法の中では比較的作業効率が良く、多くはこの工法で行われています。

他にも、まずは目地の色で全体を塗った上で目地にマスキングテープを貼り、表面を異なる色で塗った後でマスキングテープを剥がす方法や、単色で塗った後に手作業で筆などを使い、細かいニュアンスを追加する方法もあります。
これらの方法は、作業時間がかかる地道な作業です。

2色塗りでは、単色で塗る場合やクリア塗装に比べて費用が高くなります。
通常は3回塗りを行うところを、3回+凸部2回など、違う色を足す分の塗り回数が増えるため、複雑な手作業で手間がかかるためです。

しかし、せっかくの素敵なレンガ風デザインなので、多少出費が増えても見栄えの良さを残す価値はあるかもしれません。
2色塗りなら、立体感が増し、高級感のある外壁になります。

レンガ風の外壁にリフォーム

今現在の外壁がレンガ風でない場合でも、レンガ風の外壁にリフォームする選択肢もあります。

積みレンガで外壁をカバー

既存の外壁の外側に、独立したレンガ積みの外壁を設置する方法です。
新しい外壁は基礎の上に設置しなくてはならないため、既存の基礎の周りに新しく基礎を作り、その上に鉄筋の組みレンガを積んでいきます。

既存のドアや窓、屋根との取り合い部分の処置が複雑で、経験のある業者でしか対応できないため、施工できる業者が限られます。
また、大がかりな工事で費用も高額になります。

スライスレンガやタイルを貼る

既存のサイディングやモルタルの壁に、スライスレンガやタイルを貼りつけて、レンガ風のデザインにすることができます。
建物への負荷の少ない、非常に軽量な素材を使います。
また、既存の壁へレールを取り付けて、乾式工法でタイルを設置する方法もあります。

DIYでレンガを装飾する場合は、一部分なら比較的施工しやすいでしょう。
モルタルで、スライスレンガやレンガ調タイルを貼り付けていく方法が手軽です。

既存の外壁をレンガ風サイディングに張り替え

既存の外壁を剥がすか、既存の外壁の上から重ねて新しいサイディングを張ることで、好みのデザインのサイディングに張り替えることができます。

既存の外壁がサイディングの場合、耐用年数は30~40年程度です。
外壁の劣化が激しい場合や、他のリフォームと合わせて外壁を張り替える必要が出てくる場合もあります。

また、建物のイメージを変えるために、一部分のサイディングのみをアクセントとして張り替えることもできます。

サイディングを塗り替えでレンガ風にする

サイディングを塗装する際に、二色塗り塗装を行うことで、レンガ風にできる場合があります。
ただし、元のサイディングのデザインにレンガのような凹凸がある場合に限ります。

二色塗りでは、実際に塗装をしてみないと仕上がりの雰囲気がわかりにくいです。
専門業者とよく相談して、仕上がりのサンプルを見せてもらうとよいでしょう。

レンガ調外壁の塗装は辻塗装にお任せください

見た目の素敵なレンガの外壁ですが、本物のレンガでできたものか、レンガ調のタイルなのか、レンガ風のデザインのサイディングなのかによって、メンテナンス法は全く違います。
もし、自宅の外壁がレンガ風のデザインのサイディングなら、定期的な再塗装が必要です。
塗装が劣化してトラブルに発展する前に、メンテナンスを実施してください

趣のあるレンガ風のデザインを活かすには、クリア塗装か二色塗装がおすすめです。
2色塗装には高度な技術が必要ですので、業者選びを慎重にするとよいでしょう。

もし、レンガ調外壁のメンテナンスをご検討中なら、私たち辻塗装にご相談ください。
辻塗装には、国家資格を持つ塗装技術者が揃っていますので、レンガ調のサイディングをより美しく塗装することができます。
もちろん、お見積もりやご相談は無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。


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