外壁塗装に光触媒塗料を使用するメリットとデメリットは?
戸建て住宅など、新築の時は外壁もきれいに塗装され艶やかさと美しさを醸しだしています。
しかし、新しいものはやがて劣化していきます。
専門家ではない私たちにとって、どのタイミングで外壁の塗装を直せばよいのかよくわからないのが現状です。
また、塗装をやり直すために業者に依頼しても、どのような塗料を使用するべきか悩みどころです。
特に最近では、塗料の種類も非常に多様なものが販売されています。
光触媒塗料は、外壁塗装に使われる塗料の中でも機能性に優れています。
そこで今回は、外壁塗装に使用される塗料の中から、光触媒塗料についてメリット・デメリットを交えて紹介していきましょう。
まずは、塗料について簡単にご紹介します。
目次
-
- 外壁塗装に使われる塗料の種類
- 光触媒塗料とは
- 光触媒塗料のメリット
- 光触媒塗料のデメリット
- 光触媒塗料での外壁塗装にかかる費用
- 光触媒塗料とその他の塗料を比較!
- 光触媒塗料で見積もりをとるとき
- 光触媒塗料が不向きな部分
- 外壁塗装のご相談は辻塗装にご連絡ください
外壁塗装に使われる塗料の種類
塗料には水性塗料と油性塗料がある
塗料には水を揮発成分とする水性塗料と、有機溶剤を揮発成分とする油性塗料の2つのタイプがあります。
一般的に、油性塗料は耐候性に優れているイメージが定着しています。水性塗料の技術革新によって、耐候性やほかの性能に大きな差はありません。
とは言え、やはり両者は異なる塗料のため、それぞれの特徴を見てみましょう。水性塗料
水性塗料の揮発成分は水で、耐候性は各塗料によって異なります。
揮発成分が水であることから匂いは少なく、健康被害や環境被害を起こす原因物質のひとつであるVOC排出量も少ないです。溶剤塗料
油性塗料の揮発成分は有機溶剤で、こちらも耐候性は各塗料によって異なります。
揮発成分が溶剤であることから匂いが強く、シックハウス症候群の原因となるVOCの排出量も多いです。塗料は樹脂ごとに特徴が変わる
塗料は主に、塗料に色をつける顔料、塗料の耐候性を決めるとされる樹脂、それと揮発成分からできており、樹脂ごとに特徴があります。
次に、塗料の主成分である樹脂ごとの特徴をみていきましょう。無機ハイブリット(変性無機)
無機と有機のハイブリット型で高い耐候性を持ち、塗料の劣化原因である紫外線、雨、熱から建物を守ると言われています。
耐用年数は約18年です。ピュアアクリル
高耐候性、高弾性を有しており防水性に非常に優れた塗料で、ひび割れによる水の浸入を防げると言われています。
耐用年数は約15年です。無機配合型フッ素
フッ素塗料に無機成分を配合することで高い耐候性を持ち、塗料の劣化要因である紫外線、雨、熱から建物を守ります。
耐用年数は約16年です。フッ素
耐候性を重視する方におすすめで、長期間にわたり建物を保護できます。
耐用年数は約12年です。光触媒
汚れ防止を重視する方におすすめで、太陽光と雨のちからでセルフクリーニングしてくれます。
耐用年数は約15年とされています。シリコン
一般的によく使用される塗料で、価格と性能のバランスのよい塗料です。
耐用年数は約10年です。ウレタン
価格が安いので、定期的に塗り替えをしたい方におすすめです。
耐用年数は約8年です。アクリル
こちらもウレタン同様安価なので、塗り替えを楽しみたい方におすすめです。
耐用年数は約6年です。塗料の種類と特徴について簡単に解説しましたが、次はその中のひとつ、光触媒についてメリット・デメリットを交えながらご紹介していきます。
光触媒塗料とは
外壁塗装に使われる塗料は種類が多い上、大手メーカーなどが日々塗料の技術革新を進めるため、新しい塗料が誕生しています。
機能性に特化した特殊塗料と呼ばれるものも誕生していて、その中のひとつが光触媒塗料です。
光触媒塗料は、トイレや住宅設備メーカーとして知られるTOTOとオキツモという塗料会社が共同で開発したもので、塗料業界に大きなインパクトを与えました。光触媒塗料は、セルフクリーニングと言う自分自身で汚れを落とす機能があり、耐久性が約20年とも言われています。
汚れに対する耐性はかなり高いですが、その代わりコストのかかる塗料でもあります。そこで、光触媒塗料のメリット・デメリットについて簡単に見ていきます。
光触媒塗料のメリット
セルフクリーニング機能
光触媒塗料に含まれる酸化チタンが紫外線に反応することによって、汚れを分解し雨によって汚れを洗い流すことのできる機能のことです。
この機能により、外壁を洗うなどの作業の手間を省くことができます。高い耐久性を誇る
光触媒塗料は塗膜劣化の原因である紫外線を利用するため、長く家を守ることができます。
しかも約15~20年相当の抜群の耐久力を持っています。塗るだけで空気をきれいにする
光触媒塗料を塗った外壁に太陽光が当たることで、活性酵素が発生します。
活性酸素は、酸性雨や光化学スモッグの原因物質を酸化させ、大気中から除去することができます。他にも、カビや藻にも強い、ウイルスの増殖を防ぐ、親水性が高い、臭いを分解するといったメリットもあります。
汚れに非常に強いため、白い壁をもっとも白く長く保てることが大きな魅力です。
光触媒塗料は排気ガスで汚れやすい住環境に最適であり、汚れを落とせることから白い外壁との相性が抜群です。光触媒塗料のデメリット
施工が難しいので、専門性が必要となる
光触媒塗料は非常に粘度が低く、サラサラとしている水のような塗料です。
そのため塗ったときに垂れやすく、施工技術が低いと美観が損なわれてしまうでしょう。
また、乾くのが他の塗料と比べて遅く、天気や気温などほかの塗料よりも注意を払う必要があります。注意点が多いため、高い専門性と技術が必要な塗料です。
依頼する際は、業者の実績なども参考にするといいでしょう。過度の汚れなど、対応できない汚れがある
セルフクリーニング機能のある光触媒塗料ですが、落とせない汚れもあります。
それは、錆や黄砂などの汚れです。
これらは無機質系の汚れで、酸化チタンでは分解できません。また、限られた一部分に鳥の糞などの汚れが付着してしまうと、分解する力が追い付かず、結果壁が汚れてしまいます。
雨や光の当たりにくい場所では効果が弱まる
セルフクリーニング機能は、紫外線で汚れを分解し雨で流し落とします。
そのため、紫外線の当たらない場所では、その効果を十分に発揮できません。選べる色が限定される
光触媒塗料は酸化チタンを多く含むため、酸化チタンの色である「白」が強く出てしまいます。
そのために鮮やかな色や濃色を出すことができず、彩色のみ選ぶことができます。その他にも、壁の中からの汚れには対応できない、艶がでない、塗膜が固いなどもデメリットといえます。
また、塗り忘れや塗りすぎた箇所があれば、そこだけ黄色くなってしまい仕上がりが悪くなります。光触媒塗料での外壁塗装にかかる費用
光触媒塗料は、塗料の性質は耐久性など高いですが、その分費用もほかの塗料に比べて高くなります。
その価格ですが、一般的なシリコン系が2500~3000円であることに対し、光触媒塗料は5000~5500円程度です。さらに光触媒塗料の塗装を行える業者が少ないことから、施工価格も高額になります。
光触媒塗料について補足
光触媒塗料は、特殊な塗料であり実用的な機能が多数搭載されています。
そのため外壁塗装を行う業者だけでなく、外壁塗装を行いたいユーザーからも注目を集めています。一部の光触媒塗料には、遮光の効果も期待できるといわれています。
この効果は、年々気温の上がっている日本の住宅にとっては大きなメリットとなるでしょう。遮光機能があると、建物の内部まで熱が伝わりにくくなります。
その結果、夏の住宅内部の気温が高くなりにくいため、熱中症などのリスクを抑えることができます。
ですが、この機能はあくまで一部の光触媒塗料の機能なので、業者に確認しておくといいでしょう。光触媒塗料とその他の塗料を比較!
光触媒塗料について紹介しましたが、先にも述べたように塗料にはたくさんの種類があります。
そこで、特に外壁塗装で使われるアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料と光触媒塗料の性能を比較してみましょう。アクリル系塗料は湿気が気になる室内など、あまり耐久性が必要とされない場所の塗料として重宝されています。
また、発色もよく、施工性が優れており、ほとんどの外壁材に塗ることができます。
しかし、耐用年数が短く汚れやすく、ひび割れしやすいというという点も持っています。ウレタン系塗料は、主に外壁や屋根の仕上げ用として使用されます。
ウレタン系塗料は柔らかい弾性の塗膜を形成し、軽度のひび割れが起きそうになっても、塗膜が柔らかく動いてそれを抑止してくれます。
塗料が柔らかいことから細かい箇所にも密着するので、細かいパーツが多い付帯部でもしっかり密着します。
しかし、アクリル系塗料同様耐用年数が短く、光沢を長持ちさせたいときにはあまり向いてないという点があります。シリコン系塗料は耐用年数も長く、コストパフォーマンスも抜群な塗料です。
シリコン系塗料は耐水性、耐候性に優れ、汚れを寄せ付けないなどの特徴があります。
しかし、施工時に上記塗料より費用がかかり、付着性に劣るという点があります。フッ素系塗料は耐久性や耐熱性が高いので、塗り替えの回数が少なくてすみます。
また、フッ素系塗料は光沢感があり、艶があるので外観が新築のようにきれいに見えるのが特徴です。
しかし、価格が高く艶無しのフッ素系塗料はないので、和風建築物との相性が悪い場合があります。性能の違いを見てみると、低コストで抑えたいときや塗り替えをしたい時は、ウレタン系かシリコン系がおすすめでしょう。
フッ素系と光触媒はどれも耐用年数に優れますが、費用がかかるのが難点です。
コストパフォーマンス重視はシリコン系、仕上がったときの外観重視はフッ素系、特に環境問題に関心のある方は光触媒がおすすめです。光触媒塗料で見積もりをとるとき
耐用年数が長い光触媒塗料は『この塗料なら絶対に安心です』といって近づく業者も多いです。
ですが、光触媒塗料を選んだからといって、塗装が成功するとは限りません。
光触媒塗料の効果を発揮するには、しっかりとした施工技術が不可欠です。また、光触媒塗料は、塗料の大手メーカー『日本ペイント』『関西ペイント』『エスケー化研』の三者は販売していません。
以前はTOTOが開発し販売していましたが、現在は生産終了しています。そこで、見積もりをして貰うときは『商品名』と『メーカー名』を見積書に記載してもらいましょう。
この工夫で、塗料の情報を独自に調べることができます。
ただでさえ、光触媒塗料の施工は高額です。
業者の言葉を鵜呑みにせず、塗料の効果と価格が見合うかしっかり確認しましょう。また、光触媒塗料は紫外線に反応することによって効果を発揮するため、日照時間の短い北側の壁や、隣との建物の距離の近い壁は、効果を発揮できません。
建物の日当たり具合を観察しそれを記録し、業者との打ち合わせに役立てましょう。光触媒塗料が不向きな部分
最後に、光触媒塗料で施工できない部分について紹介していきます。
まず施工についてですが、光触媒塗料は今のところ外壁用しか発売されておらず、屋根に施工するタイプは現状ありません。
そのため外壁に光触媒塗料を使用する場合、屋根は別の種類の塗料で施工しなければなりません。塗料の耐用年数を吟味しないと、メンテナンス時期が外壁と屋根で異なってしまうことになります。
屋根と外壁を別に塗装すると、費用がほかの塗料使用時よりの余計にかかるため注意が必要です。外壁塗装のご相談は辻塗装にご連絡ください
光触媒塗料はセルフクリーニング機能など、かなり優れた塗料であると言えます。
環境への配慮はどの塗料よりもされており、地球温暖化問題や空気をきれいにする効果など、将来を考えてある塗料です。しかし、塗装に高い技術力を求められる点や、信頼性の低い塗料が出回っている点など、注意すべきこともおおいです。
そのため、まずは信頼できる塗装業者に相談するようにしてください。もし、訪問業者などに外壁塗装の提案をされたのなら、一度私たち辻塗装にご相談ください。
訪問業者は悪徳な業者がほとんどで、質の低い塗料を高く買わされたり、必要のない外壁塗装を提案されていたりするケースもあります。
私たちは36年間、福岡に密着して営業してきた塗装業者ですので、地域の皆様に信頼いただけていると自負しています。
外壁塗装のことなら、なんでも無料で相談に乗りますので、お気軽にお問合せください。