外壁塗装にウレタン塗料を使っても大丈夫?メリットやデメリットは?
外壁塗装を業者に相談するときに、塗料の中でも「ウレタン」と「シリコン」はよく話題に上がります。
どちらも安価で、全体の性能も良く人気がある塗料です。
しかし、最近では高機能で低価格の塗料が数多く普及し始めてきました。
そのため、ウレタン塗料は外壁塗装に使われる塗料の中では、下から2番目のグレードにあたると言われています。
できるだけ費用を抑えたいという方は、ウレタン塗料にするか迷う人が多いかと思います。
ただ、「グレードの低いウレタン塗料を、外壁塗装に採用して大丈夫なのだろうか?」と不安に思う方もいるかもしれません。
ウレタン塗料は、性能と耐久性のバランスが良く安定した塗料ではあります。
近年では高性能な塗料に押され気味になり、外壁塗装に使われることが減ってきました。
しかし、どの塗料にも、デメリットは存在します。
目的や使用箇所によっては、ウレタン塗料が適しているケースもあります。
ここでは、ウレタン塗料の特徴や、メリット・デメリット、ウレタン塗料が向く人・向かない人などを詳しくご紹介します。
目次
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- ウレタン塗料の特徴
- 塗料には大きく分けて4つのグレードがある
- ウレタン塗料のデメリット
- ウレタン塗料メリット
- ウレタン塗料と他の塗料の特徴と価格を比較
- 今主流のシリコン塗料とウレタン塗料どっちがいい?
- ウレタン塗料が向く人
- ウレタン塗料が向かない場合
- 外壁塗装のお悩みは辻塗装にご相談ください
ウレタン塗料の特徴
ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分とした塗料のことです。
ウレタン塗料は、外壁材を選ばず様々な箇所で使えるため、万能塗料とも言われています。ウレタン塗料は、フッ素やシリコン塗料にはない二つの性質を持っています。
1つは、「弾性」です。
ウレタン塗料は非常に柔らかく、伸び縮みしやすい「弾性力」に優れています。
塗料の中でもとても扱いやすく、外壁塗装の仕上がりも比較的キレイに仕上がるでしょう。そして、地震などの衝撃が加わっても、ゴムのように元に戻る性質があり、外壁などのひび割れを防ぐことができます。
しかし、あまりに強い衝撃には効果を発揮できないので、地震の多い地域には向かないでしょう。ウレタン塗料の中でも、弾性機能に特化した「弾性塗料」を使用することで、衝撃に強い外壁塗装に仕上げることもできます。
2つ目は、「密着性」です。
ウレタン塗料は外壁との密着性が高く、ほかの塗料よりも剥がれにくい特徴があります。
塗料が下地としっかり密着する力を持っているので、時間の経過とともに形が変わる木材にも対応できる万能塗料です。
密着性の高さから、細部の塗料にも向いていると言われています。高い性能を持つウレタン塗料ですが、近年ではより耐久性に優れた「シリコン塗料」が使われるようになってきました。
しかし、ウレタン塗料は場所を選ばす塗装できることから、利便性の高い塗料でもあります。
グレードとしては、他の高性能の塗料より下回ってしまいますが、ウレタン塗料にしか出せない良さもあります。塗料には大きく分けて4つのグレードがある
代表的な外壁塗装に使われる塗料は、大きく分けて4種類あります。
耐用年数の優れた順番で行くと、フッ素、シリコン、ウレタン、アクリルの順になります。その中でも近年よく使われるのが、値段と性能のバランスが良いシリコン塗料です。
ウレタン塗料より耐久性に優れ、価格も下がってきていることから、現在ではシリコン塗料が主流になってきました。ウレタン塗料は、シリコン塗料よりグレードと人気は下ですが、少し前まで主流だったアクリルよりは上です。
どの塗料も、それぞれの良さがあるので、「この塗料にすれば絶対大丈夫」というわけではありません。ウレタン塗料のデメリット
耐用年数が8~10年
外壁塗装の平均耐用年数は、10~15年の物が多いのに対し、ウレタン塗料は8~10年と少し劣ります。
10年以内には塗り替えが必要になるため、外壁塗装を長持ちさせたい人には向きません。今の住宅に長く住む予定のない人や、定期的に塗り替えをしたい人には適しているでしょう。
コストパフォーマンスが悪い
10年に1度は塗り替えが必要になるため、他の塗料と比べると塗り替え頻度が多くなり、費用が高ついてしまいがちです。
家の寿命を30年として考えたとき、3~4回は塗り替えが必要になります。1回の外壁塗装の費用が約60万円前後で、4回塗り替えするとしたら、合計で240万円ほどかかってきます。
必ずしもコストパフォーマンスが悪いとは言い切れませんが、塗料別に生涯かかる費用を比較しながら選ぶと良いでしょう。変色しやすい
ウレタン塗料は、他の塗料と比べて紫外線による変色が起こりやすいと言われています。
これは、ウレタン樹脂の性質なので仕方がありません。建物の環境によって、必ず変色するとも限りませんが、黄色く変色しやすい傾向にあります。
しかし、どの塗料も紫外線によって、劣化は進んでしまうものです。汚れやすい
ウレタン塗料は弾性に優れる反面、汚れがつきやすい性質を持っています。
特に、交通量が多い場所などは排気ガスなどによって、汚れが付着しやすくなってしまうでしょう。住む場所によっては、ウレタン塗料が適さないケースもあるのです。
汚れが付きにくい、低汚染性のあるウレタン塗料もあるので、打ち合わせの際に業者に確認しましょう。ウレタン塗料メリット
価格が安い
主流であるシリコン塗料と比べると、価格を抑えることができます。
シリコン塗料とウレタン塗料の単価は若干の差しかありませんが、外壁塗装は面積が大きいので、全体の費用では大きな差がでます。あまり予算がない場合は、費用を大きく抑えることができるでしょう。
光沢があり高級感ある仕上がりになる
ウレタン塗料は樹脂が柔らかく、ツヤのある塗膜により高級感ある仕上がりになります。
仕上がりの高さから、高級な家具や床などの仕上げなどにもよく使われています。低価格で外観にこだわりたい人や、高級感のある仕上がりにしたい人にオススメです。
ひび割れしにくい
ウレタン塗料は、弾性力が高く、柔らかいので非常に扱いやすい塗料です。
硬化した後でもウレタン塗料は柔らかく、地震などの衝撃をある程度吸収してくれるといわれています。
また、外壁塗装のひび割れも防止できるでしょう。塗料の種類が豊富
ウレタン塗料は長年親しまれていることもあり、色や種類が豊富に販売されています。
塗装する場所や用途に合わせて、選ぶことも可能なのです。シリコン塗料などと比べると、ウレタン塗料は耐用年数が短いですが、必ずしも耐用年数が長い塗料が良いとは限りません。
外壁の種類や状態、目的によっては、ウレタン塗料で外壁塗装をした方がいい場合もあります。また、ウレタン塗料の中でも、最近では高性能なものが開発されています。
耐久性に優れ、汚れにくく、変色や劣化なども起きにくいものもあります。
ウレタン塗料の種類によっては、目的に合う物を選ぶことができるので、塗装業者に詳細を確認するといいでしょう。ウレタン塗料と他の塗料の特徴と価格を比較
ここからグレード別に、塗料の特徴や価格を簡単に説明します。
・アクリル塗料(耐用年数5~7年):単価1,500円前後。
価格が安く、種類が豊富ですが、耐用年数は最も短いです。・ウレタン塗料(耐用年数8~10年):単価は2,000円前後。
耐用年数、性能が安定していて、条件を選ばない万能塗料として、様々な場所で使われています。
価格も安いので、シリコンの次によく使われる塗料です。・シリコン塗料(耐用年数10~15年):単価は2,000~3,000円。
耐用年数が信頼できる塗料と言えるでしょう。
性能、価格共にバランスが良く、近年最も使われている塗料です。・フッ素塗料(耐用年数15~20年):単価は4,000~5,000円。
耐用年数のレベルが高く、汚れにくいのが特徴です。
全体的な性能も優れるので、価格は高めです。今主流のシリコン塗料とウレタン塗料どっちがいい?
どんなに優れた塗料にもメリット・デメリットがあり、完璧な塗料は存在しません。
シリコン塗料は、ウレタン塗料よりも耐久性に優れるため人気は高いですが、シリコン塗料の方が安心と言うわけではありません。
予算や塗装する範囲、建物の状況、付加機能の活用などによって、あなたに合った塗料は変わってきます。ウレタン塗料の場合、種類が非常に豊富です。
塗装箇所に合った性能を追加したウレタン塗料を、場所によって使い分けをすることもできます。
鉄の部分には、サビ防止の性能が追加されたウレタン塗料を使ったり、木材には弾性力に特化したウレタン塗料を使ったりと、細かく選ぶことができるのです。一方、シリコン塗料は比較的耐用年数が長く、価格も性能もバランスが良いです。
全体的なバランスを重視したい人には、シリコン塗料が魅力的に感じるかもしれません。このように、目的や状況によって、あなたに合う塗料は変わってきます。
価格、性能、付加機能、全体のバランスなど、自分が何を重視したいのか、業者との打ち合わせの際にじっくり考えましょう。ウレタン塗料が向く人
塗料の種類がたくさんありすぎて、何を重視したら良いのか分からなくなるかもしれません。
ここからは、少しかみ砕いて、ウレタン塗料がおススメな人をご紹介します。
10年後に再塗装を考えている人
ウレタン塗料の耐用年数は最高で10年なので、定期的に再塗装をして、外観を常にキレイに保ちたいという人にはウレタン塗料がオススメです。
また、長期間その家に住むことを、考えてない人にも向いているでしょう。高級感のある外観にしたい人、外観にこだわりたい人
耐久性を重視せずに、光沢のある高級な仕上がりにしたい人にもウレタン塗料はオススメです。
付加機能を活用し、こだわりある外壁塗装にしたい人にも向いているでしょう。初期費用を抑えたい人
ご家庭によって、外壁塗装で使える予算は様々ですよね。
あまり無理をして家計に影響が出るくらいなら、無理のない範囲での塗料選びをするといいでしょう。
ウレタン塗料は低価格なので、一度にかかる工事費用を抑えることができます。ただ、メンテナンス頻度は多いので、長い目で見た費用と照らし合わせながら、ご家庭の状況に合った塗料選びをしましょう。
ひび割れを防止したい人
弾性力があり、下地部分との密着度も高いため、地震などの衝撃には強い塗料だと言われています。
硬い塗料だとひび割れが起こりやすいですが、ウレタン塗料は柔らかいので、ひび割れの心配は少ないでしょう。塗装の剥がれが部分的に気になる人
現在住んでいる建物で、塗装の剥がれが部分的に気になる人にもおススメです。
速乾性のあるウレタン塗料を使用すれば、乾くのも早く、部分的な補修にも使いやすいです。
下地に合った塗料を選ぶことができるので、塗装の剥がれや細部の塗装にも有効的に使えます。ウレタン塗料が向かない場合
一方、ウレタン塗料がおススメでない人は、どのような人になるのか、見ていきましょう。
塗装を10年以上長持ちさせたい人
あくまでも目安にはなりますが、ウレタン塗料は最高でも10年しか持たないと言われています。
つまり、10年に一度は確実に塗り替えが必要ということです。
何度も塗り替えをしたくない人や、長い目で見た外壁塗装の費用を抑えたい人にはあまり向きません。しかし、どんなに優れた塗料を使っても、10年以上長持ちさせたい場合は、ご自分での掃除などのメンテナンスは必要になってきます。
その場合、シリコン塗料や、フッ素塗料、無機塗料などがおススメです。
耐久性が高いので、10年以上長持ちする塗料になります。光沢を長持ちさせたい人
ウレタン塗料の強みである光沢は、劣化が進むと同時に少しずつなくなっていきます。
全てのウレタン塗料がそうなるわけではありませんが、建物の環境によっては、光沢がすぐに低下する場合もあります。光沢をなるべく長持ちさせたい場合は、業者と相談しながら、フッ素塗料や、無機塗料など、劣化しにくい、光沢のある塗料を選ぶと良いでしょう。
外壁塗装のお悩みは辻塗装にご相談ください
ウレタン塗料は、耐用年数、性能共に安定した塗料になります。
「弾性」と「密着力」に優れ、外壁材を選ばず様々な箇所に使えるため、万能的な塗料と言えるでしょう。
近年、性能の高い塗料に押され気味のウレタン塗料ですが、ウレタンにはウレタンの良さもたくさんあります。塗料選びのコツとして、“自分が何を重視したいのか”ということも大切になってきます。
業者との打ち合わせの際は、価格、性能、付加機能、全体のバランスなどを考え、自分に合った塗料選びをオススメします。もし、「自分に合った塗料が何か知りたい」という場合は、私たち辻塗装が力になります。
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