外壁塗装のリフォームに必要な足場の役割とは?種類や相場などの情報も一挙紹介
基本的には塗装作業で職人さんが使うものなので、依頼する側が足場について気にする必要はないように思えます。
しかし、あまりに無関心では、悪徳業者にだまされる危険性もあるので注意が必要です。
そこでここでは、外壁塗装に必要な足場の基礎的な情報を紹介していこうと思います。
後々のトラブル防止にもつながりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 足場は外壁塗装工事の基本
- 塗装の作業効率を左右する足場の種類
- 養生シートをかけてトラブル防止
- 足場代の相場はいくら?
- 足場なしで作業はできないの?
- 狭い場所でも足場は組める?
- 足場がきっかけとなるご近所トラブル
- 足場が引き起こす塗装業社とのトラブル
- 足場でケチらず安全安心な塗装工事を
足場は外壁塗装工事の基本
外壁塗装の工事で足場を組む目的は、大きく分けて2つあります。
まず一つ目の目的は、塗装作業の効率を上げることです。
外壁塗装は高所での作業を含むので、足場がないと安定した作業環境を確保できません。
作業環境が不安定だと、どうしても塗装に集中することができません。
落下を防ぐことに意識が集中してしまうため、塗りムラや塗り残しの原因となってしまうのです。
二つ目の目的は、職人さんの安全性を高めることです。
普通の一軒家の外壁塗装工事なら、はしごでも対応できそうですが、それでは職人さんが落下する危険が大幅に増します。
もし自分の家の塗装中に職人さんが落下して命を落としでもしたら、申し訳なくてやりきれない気持ちになりますよね。
そんな事態になることを防ぐためにも、足場は大いに活躍してくれます。
あなたの家の外壁塗装の品質を高めるため、そして大切な命を守るために、塗装工事の足場は確実に必要なものといえます。
塗装の作業効率を左右する足場の種類
知識がないと同じように見える塗装用の足場ですが、実は3種類に分けることができます。
それぞれの足場に特徴があり、設置できる場所や作業効率にも違いがあるのです。
ここでは、それぞれの足場の特徴やメリット、デメリットなどを紹介していきましょう。
単管足場
単管足場とは、丸いパイプを2本組み合わせたタイプの足場です。
丸いパイプが単管と呼ばれるため、単管足場と名前がついています。
2本のパイプを組み合わせているだけなので、足場としては不安定です。
パイプの隙間に足が滑り落ちる危険もあるので、今ではほとんど採用されなくなりました。
安全性はイマイチな単管足場ですが、メリットも存在します。
作りがとてもシンプルなので、幅が狭くても設置できるのです。
このメリットを活かし、隣の家との距離が近い箇所など、部分的な足場として採用されることはあります。
住宅密集地の塗装工事なら、見かけることもあるかもしれませんね。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場とは、単管に板状の足場を取り付けるタイプのものです。
ブラケットとは支持具のことで、この上に足場となる板を設置します。
足場が広く確保できるので、単管足場に比べると安定性は増しています。
足が滑り落ちる危険もなく、作業に集中してもらうことができるでしょう。
ただし、ボルトで締めて組み立てていくため、どうしても不備が出やすくなりがちです。
もし、締め込みが緩い箇所があると、揺れやすい足場となってしまいます。
また、一つずつ組み合わせて作るので、足場を組むのに時間がかかるのも欠点といえるでしょう。
クサビ(ビケ)足場
クサビ足場とは、ブラケットを差し込んで組み立てるタイプの足場のことです。
単管ブラケット足場との違いは組み立て方で、より安定した足場を実現しています。
広く安定した足場が確保できるため、最も作業しやすい足場と言えるでしょう。
ハンマーで確実に固定していくので揺れることも少なく、最近では最も多く活用されています。
さらにクサビ足場は、組み立てや解体が早いのも特徴です。
工事の開始と撤収が早まりますので、工期を短くすることにも一役買ってくれます。
ただし、足場の幅が広いため、狭い隙間に設置することはできません。
もし隣の家との距離と極端に近いようなら、単管足場と組み合わせることになるでしょう。
養生シートをかけてトラブル防止
外壁塗装工事においては、足場に養生シートをかけるのが普通です。
風を受けても倒壊しないようメッシュ素材のものが通常で、家全体を囲うように設置します。
このメッシュシートは、強風など特別な理由がない限り工事終了までかけておくものです。
養生シートを設置することには、以下の2つの目的があります。
塗料の飛散防止
外壁塗装に使用する塗料は液体なので、どうしても周囲への飛散は避けることができません。
また、塗装前は高圧洗浄を行うので、汚れた水が広範囲に飛び散ります。
もし養生シートをしていないと、隣の家や車を汚してしまうかもしれません。
そんなことになると、トラブルになることは避けられないのです。
だからこそ、養生シートをしっかりと張って、塗装中の塗料が飛散するのを防がなければなりません。
塗料はどこに飛ぶか分からないので、塗装中の部分だけにシートを張るのでは不十分です。
塗装工事中は、必ず家全体を覆ってもらうようにしてください。
職人さんの安全確保
塗装中の養生シートの大切な役割として、職人さんの安全確保があります。
いくらクサビ足場が安定しているからと言って、スペースが狭いことに変わりはありません。
ちょっとバランスを崩しただけでも、足場から転落するリスクは高いといえるのです。
そんな場合でも、養生シートで囲っておけば落下を防止できるかもしれません。
きちんとシートを張っておけば、バランスを崩した身体を支えてくれるのです。
もしものときは、掴まって落下を防ぐこともできますからね。
より安全な作業環境を確保するためにも、塗装中は養生シートを確実に張っておく必要があります。
悪徳な業社になると、「部分的にしか飛散防止シートをかけない」「薄く頼りないメッシュシートを利用している」「そもそも養生シートをかけていない」といった問題を起こします。
打ち合わせの段階で養生シートについても確認しておくことが、無駄なトラブルを防ぐことに役立つでしょう。
忘れず聞くようにしてくださいね。
足場代の相場はいくら?
塗装工事において、足場を組むのも当然タダではありません。
組み立てと解体には、かなりの時間と労力が必要となるので、それなりに費用がかかると考えておきましょう。
塗装工事の足場代の相場は、大体1㎡あたり700円~1000円程度です。
一般的な大きさの家なら、20万円程度には収まる計算になりますね。
外壁塗装を行う際は、足場代もきちんと精査できるようにしておくと、ぼったくられる心配がありません。
塗装作業の見積書にきちんと足場代も記載してもらい、敷地面積と比較するようにしましょう。
足場の金額には、養生シートの金額も基本的には含まれています。
もし別に記載されているなら、足場の金額と合わせて相場と比較してみてください。
それから、足場設置の価格が安すぎる場合にも注意が必要です。
安いと言うことは、それだけ品質が悪いということが考えられます。
よくありがちなのが、価格を安くして1日に何本も作業を入れているというケースです。安くする分、数を増やして利益を出そうということですね。
このようなケースだと、当然ずさんな作業になるため、安全性が確保できているとは考えにくいです。
後でトラブルにならないためにも、適正な価格で依頼するのが賢明でしょう。
足場なしで作業はできないの?
足場を組むにも結構なお金がかかりますね。そこで考えてしまうのが、足場なしで塗装作業できないかということです。
足場を組まずに塗装工事ができるなら、足場代を丸々節約できますからね。
結論から言うと、今の時代足場なしの外壁塗装工事はありえません。
まず、職人さんの安全が確保されませんからね。働く人の安全を犠牲にすることなど、今の時代コンプライアンス的にもありえません。
それに足場がないせいで職人さんが落下する事態になれば、訴えられて多額の賠償金が必要になる可能性もあります。
それから、足場を組まずペンキを飛散させるなどの事故を起こした場合、工事保険は適用されません。
もしもの事故が起きても保険で対応できるよう、足場は組むものなのですね。
「足場なしで」などとごねても、塗装工事を断られるだけです。
外壁塗装に足場は必須と考え、安全に作業できる環境で工事してもらうようにしましょう。
狭い場所でも足場は組める?
住宅密集地など、隣の家との距離が近い場合は足場を組むのが難しそうです。
実際、どのくらいの隙間があれば、足場を組むことができるのでしょう。
まず、人が通れるギリギリのスペースがあるなら、空中越境という方法が使えます。
空中越境とは、敷地面積いっぱいに柱を立て、お隣の空中スペースを借りる方法です。
お隣の敷地自体には足場を組まないので、そこまで迷惑をかける方法ではないと言えます。
それから、人も入れないようなスペースの場合は、隣の敷地を少し貸してもらう必要があります。
一応、法律的に貸してもらうことはできますので、事前に話をつけておく必要があります。
いずれにせよ、隣の方にご迷惑をかけることになるので、きちんと挨拶することが不可欠です。
どちらの家にも外壁塗装は必要なので、気持ちよく貸してもらうためにも、普段から関係性を良くしておくことも大切ですね。
足場がきっかけとなるご近所トラブル
外壁塗装工事で最も多いものが、塗料で物を汚してしまうトラブルです。
飛散防止シートがしっかりと取り付けられていない場合、隙間から塗料が飛散することがあります。
もちろん業社の落ち度なので、あなた自身が弁償する必要はありません。
とは言え、あなたが依頼した塗装業社なので、保証などの架け橋になって上げる必要はあると思います。
それから、きちんと養生シートを張らない業社を選んでしまったことは、あなたの落ち度と言えます。
なので、素直に謝ることが、トラブル解決の最善策と言えます。
塗装業社のせいばかりにしていては、許せるものも許せなくなってしまいますからね。
塗料が飛散しないにしても、ご近所とのトラブルを防止するには挨拶が必須です。
業社に全て任せるのでなく、あなた自身も挨拶に出向き、塗装工事について理解を得るようにしてください。
足場が引き起こす塗装業社とのトラブル
よく悪徳業者が使う手が、「足場代は要りません」と口約束することです。
大幅に費用を削減できるため、ついつい口車に乗ってしまいます。
しかし、実際に支払う段階になると、足場台が請求されている・・・そこで塗装業社に問い合わせても、「そんな約束はしていない」の一点張りになるのです。
この手を使う塗装業社は、見積書や契約書など塗装工事前に金額が明示されている書面を残しません。
だから、後で約束を破っても、約束した証拠がないのです。
この手を使われると、証拠がないので争っても勝てる見込みがほとんどありません。
このような業社にだまされないためには、塗装工事に入る前にしっかりと契約書を交わすことが重要です。
契約書に金額を明記させておけば、後から余分なお金を請求されても断る証拠となります。
契約書は面倒という場合でも、見積書は最低でももらってください。
見積書も金額が確認できるので、トラブルになったときの証拠として使えます。
「契約書も見積書も出さない」という塗装業者は、悪徳業者である可能性が高いので、他の業社を探した法が賢明でしょう。
普通の塗装業社なら、契約書はともかく見積書くらいは出してくれるものです。
足場でケチらず安全安心な塗装工事を
足場にかかる代金は、直接外壁塗装に関わるものではないので、節約したくなる気持ちは分かります。
しかし、そこをケチったがために怪我でもされたら、とても後味が悪いものになってしまいます。
外壁塗装は高所での作業も多いので、一歩間違えると大事故になる可能性もありますからね。
命を守るためと思って、適正価格で依頼するようにしてください。
それに、足場が不安定だと、結局塗装の仕上がりに影響が出てしまいます。
満足行く外壁塗装に仕上げるためにも、足場は必要な経費なのです。
もちろん、近隣の方に迷惑をかけないためにも足場は必要です。
作業してくれる職人さんが、安全に作業できるようにするためにも。
そして、外壁塗装を満足できる仕上がりにするためにも、足場にも目をむけて塗装業者を選定するようにしてください。
福岡の辻塗装は、安全な足場をしっかり組み、最高の塗装品質が確保できるよう努めています。
もちろん養生もしっかりと行い、近隣の方とのトラブルは起こしません。
塗装業社で迷っているなら、辻塗装に一度相談してみてください。