外壁塗装で基礎部分の塗装は必要?メリットやデメリットをまとめて解説
戸建ての建物には、「基礎」と呼ばれる部分があります。
普段あまり目に留まらない場所ですが、あらためて見てみるとひびが入っていたり、黒ずんでいるかもしれません。
外壁塗装をする際に、基礎部分は塗装をするのでしょうか?
もし基礎が劣化していたら、修理した方がよいのでしょうか?
ここでは、建物を支える大切な役割を持つ基礎部分について、塗装の必要性やメンテナンス方法について詳しくみていきましょう。
目次
- 建物の基礎とは
- 基礎に塗装はできる?
- 外壁塗装の塗装範囲に含まれる?
- 基礎塗装をするメリット
- 塗装をするデメリット
- 基礎の劣化のサイン
- 基礎に使われる塗料の種類
- 基礎塗装の費用
- 基礎塗装の注意点
- 基礎の塗装の事も辻塗装までご相談ください
建物の基礎とは
日本で戸建てを建築する際には、一般的に「基礎」と呼ばれる土台を作り、その上に建物を建てます。
基礎の多くは、中心部を鉄筋で形作っておき、周囲にコンクリートを流し込んで固めて作られています。
建築途中の現場で、地面にコンクリートの土台だけが作られている状態を見かけることがあると思います。
その部分が基礎にあたります。
完成している建物の場合には、建物を外側から見ると地面と接する部分の高さ40cmほどに基礎部分が見えていることが多いです。
建物は基礎の上に作られるため、全ての土台となる基礎はしっかりと地面とつながっていること、傾きがないことが求められます。
基礎部分に不具合があると、将来建物が傾いてきたり、地震で崩れたりといった事故が起きかねません。
また、基礎部分を高くしておくことで、湿気や害虫から建物を守ることができます。
これは、湿度が高い日本ならではの工夫です。
さらに、建物の周囲に雨水がたまってしまった時に、家の中へ雨水が入り込むことを防ぐ役割もあります。
川が近く浸水しやすい地域や、斜面で高低差がある場所では、基礎部分が高くなっている建物も見られます。
基礎に塗装はできる?
結論から言うと、基礎部分への塗装は可能です。
ほとんどの住宅は基礎部分がコンクリートでできており、表面にモルタルを薄く塗り仕上げています。
そのため、コンクリートへ塗装する専用の塗料を使うことで、塗装することができます。
しかし、基礎部分を塗装した方が良いかどうかは、業者によって大きく考え方が分かれるところです。
メリットとデメリットがあり、また塗装方法の選択肢がいくつかあるからです。
また、地域によっても対応が分かれています。
基礎部分は地面と接しているため、寒暖の差や降水量、降雪量など気候の違いによって受けるダメージも違ってくるからです。
幹線道路沿いで揺れやすいなど、建物の立地にも左右されます。
基礎が劣化しやすい特性の立地の場合には、メンテナンスをしっかりとした方がよいでしょう。
基礎のメンテナンスは、塗装以外にも補修方法の選択肢がありますので、劣化状況に応じて選択します。
最近では、新築時に基礎部分に塗装されている物件もあります。
その場合には、塗膜が劣化している可能性が高く、外壁と同時に塗り替えた方が良いでしょう。
美観の点からも、外壁だけを塗り直してしまうと、基礎部分が古びて見えてしまうので、同時の塗装がオススメです。
このように、基礎部分に塗装することは可能です。
しかし、塗装するべきかどうかは、それぞれの建物の置かれている状況によっても異なるといえます。
外壁塗装の塗装範囲に含まれる?
外壁塗装を業者へ依頼した場合に、基礎部分への塗装が含まれているかどうかは、業者によって違います。
ただ一般的に、基礎が含まれていない業者が多いようです。
外壁塗装をする際には、業者に基礎部分の塗装が含まれるかどうかを確認し、その理由も合わせて聞いてみましょう。
基本料金の範囲では塗装をしない業者でも、オプションで対応が可能な場合もあります。
基礎部分への塗装は、業者によって対応が異なるため、希望する場合には、いくつかの業者に相談して比較してみると良いでしょう。
基礎塗装をするメリット
業者によって考え方が異なると、基礎部分への塗装をするべきかどうか悩むところです。
メリットとデメリットを知って、じっくりと検討してください。
美観が良くなる
建物の外壁を塗装すると、塗装をしていない箇所の古さが目立ってしまうことがあります。
せっかく外壁を綺麗にしたのに、少し残念ですよね。
そこで、外壁のすぐ下にある基礎も合わせて塗装をすると、全体が新築時のように綺麗になります。
常に雨水にさらされている基礎部分は、カビやコケが生えて黒ずんでしまっていることがあります。
年月が経って、基礎の表面に細かいひび割れが出てきていることもあるでしょう。
塗装をすると、すっきりと綺麗な見た目になります。
また塗装をすることで、ひび割れがコーティングされ補強される効果や、カビやコケを生えにくくする効果もあります。
基礎部分の塗装も、デザイン性が高く高級感のある塗料もあり、外壁のデザインに合わせて選ぶことができます。
基礎塗装の有無で、建物全体の印象が大きく変わります。
防水性が高まる
基礎に使われているコンクリートは、吸水性の高い材質です。
コンクリートは長期間雨や紫外線にさらされていると、コンクリートに含まれるカルシウム化合物が二酸化炭素と反応してアルカリ性を失い、中性化と呼ばれる現象を引き起こします。
中性化が起きてしまうと、コンクリートは割れやすくなり、ひび割れや剥離を起こしてしまいます。
コンクリートの表面を塗装することで、雨や紫外線の刺激から保護し、中性化を起きにくくすることができます。
比較的コンクリートに劣化が見られない状態であれば、塗装による保護が有効です。
塗装をするデメリット
メリットがある一方で、塗装をすることによるデメリットもありますのでよく知っておいてください。
劣化に気づきにくくなる
表面を塗装することで、基礎の劣化具合が見た目で分からなくなります。
万が一内部で中性化やシロアリ被害が進行していても、気づかないかもしれません。
家の中で水漏れが発生した場合に、まれにコンクリートの基礎部分から水分が染み出ることで、水漏れを発見できることはあります。
しかし、コンクリートの表面に防水性の塗装がされていると、水分が染み出てこないため水漏れに気が付かない可能性があります。
塗装をすると、外からは基礎の変化に気づきにくくなります。
そのため、定期的に内部の点検口から床下の状態を確認すると良いでしょう。
放湿性が失われる
基礎は地面と接しているので、地面から上がってくる湿気に常にさらされています。
それでもコンクリートが劣化しにくいのは、放湿性があるからです。
コンクリートは吸湿性がある一方で放湿性もあり、水分を適度に放出しています。
表面を防水性のある塗膜で覆ってしまうと、水分が放出できず基礎部分が湿度を保ちやすくなってしまいます。
湿度が高くなると、シロアリやカビ・コケなどの被害を受けやすくなる心配があります。
コンクリート用の透湿性塗料もありますので、基礎部分の塗装をしたい場合には検討してください。
塗装が剥がれる可能性がある
塗装をするということは、年月の経過で劣化するということです。
外壁と比べて地面に近い基礎部分は、特に劣化が進行しやすい環境にあります。
湿度が高いことで塗膜が剥がれやすくなったり、基礎と地面の境目から塗膜が剥がれやすくなったりします。
雪が積もるような地域では、より一層剥がれやすい環境にあるでしょう。
湿度が高くなりやすい立地では、塗装を避けた方が無難です。
費用がかかる
コンクリートは耐久性が高く、塗装をしなくても問題のない素材です。
特に理由がないのであれば、塗装をする必要はありません。
もし汚れが気になっていて美観を良くすることが目的なら、塗装以外にも高圧洗浄で汚れを落とす方法もあります。
しかしながら、外壁と比較すると基礎部分の面積は小さく、外壁と一緒に塗装をするなら、塗装費用はそれほど高額ではありません。
費用対効果を考慮して検討してみてください。
基礎の劣化のサイン
基礎に使われているコンクリートは、月日の経過とともに少しずつ劣化しています。
気温の変化や湿度の変化、または地震などの外部からかかる力によって、ひび割れを生じることがあります。
ひび割れから雨水が浸入してしまうと、内部の鉄筋のサビを引き起こしてしまい、基礎の強度が下がってしまう恐れがあります。
ひび割れを見つけたら、メンテナンスを検討してください。
ひび割れとひと口にいっても大小様々あり、程度によって対処方法が異なります。
構造クラック
幅0.5mmを超えるクラックは、構造クラックと呼ばれます。
表面だけでなく、内部の鉄筋までひび割れが到達している可能性があり、早めの補修が必要です。
構造クラックの場合、エポキシ樹脂やシーリング材を注入して、ひび割れを埋めます。
塗装をする場合には、クラックの補修をしてから塗装します。
ヘアークラック
幅0.3mm以下のクラックは、ヘアークラックと呼ばれます。
ヘアークラックは、それほど深刻な劣化ではないとされています。
塗装をすることで、クラックの進行を止める効果が期待できます。
基礎に使われる塗料の種類
外壁と合わせて基礎を塗装する場合、外壁と同じ塗料を使うと剥がれてしまうリスクがあります。
そのため、基礎には基礎専用の塗料を使用しなくてはなりません。
塗料メーカーの多くから、基礎専用の塗料が販売されています。
基礎専用の塗料は、コンクリートがひび割れてしまった際にも追従できる柔軟性を持っています。
また、中性化を抑止する効果やシロアリ対策効果がある塗料もあります。
他にも、撥水効果で表面の汚れをつきにくい状態にしつつ、内部からの湿気を放湿する性能のある塗料もあります。
基礎用塗料には様々な性能の商品がありますので、業者に希望を伝えてみると良いでしょう。
デザイン面では、昔ながらの単色の塗料以外にも、石目調や大理石調など高級感のある仕上がりの塗料があります。
外壁の雰囲気に合わせて選ぶことで、より一層おしゃれな外観を実現することができます。
塗料以外には、基礎用の化粧シートや化粧パネルといった商品もあります。
これらの商品でも、デザイン性が高くおしゃれに仕上げることができます。
基礎塗装の費用
基礎の塗装は、外壁の塗装と同様の手順で実施されます。
下地処理や補修を行った後、高圧洗浄をして、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗装を行うのが標準的な施工方法です。
外壁塗装の際に、同時に基礎塗装を依頼する場合であれば、費用の相場は3,500~4,000円/平米が目安です。
平均的な30坪程度の戸建てでは、およそ5~7万円の追加料金になるでしょう。
ただし、使用する塗料のグレードや補修の程度によって金額は変動しますので注意してください。
基礎塗装の注意点
基礎塗装を検討する際には、次のような点に注意しましょう。
サービスでの塗装は慎重に
基礎部分は面積が小さいため、「サービスで塗装します」という業者もいます。
しかし、外壁と同じ塗料で塗っていることや、下塗りを省略して上塗りだけを塗っていることがあります。
パッと見には綺麗に仕上がっているように見えますが、時間が経つと剥がれてきてしまいます。
ボロボロと剥がれてしまうのであれば、「いっそ塗らない方がよかった」ということになりかねません。
「サービス」の謳い文句には注意して、どの塗料を使うのかきちんと確認してください。
保証の対象外になりやすい
基礎部分は、外壁塗装時についてくる保証の対象外となるケースが多いです。
通常、基礎塗装は外壁塗装に含まれないオプションであることや、塗装が剥がれやすい部位だということが理由です。
基礎塗装を依頼する場合には、保証範囲を確認した方がいいでしょう。
基礎の塗装の事も辻塗装までご相談ください
外壁を塗装する際に、基礎部分も含めて塗装をするかどうかは、ケースバイケースです。
業者の考え方によっても異なりますし、建物の立地条件によっても向き不向きがあります。
基礎部分への塗装のメリット・デメリットを知った上で、業者と相談しながら決めると良いでしょう。
優良な塗装業者に相談すれば、立地なども考慮して塗装が必要か不要か判断してくれます。
また、塗装を希望する場合も、見た目だけでなく機能まで考慮した塗料をアドバイスしてくれるでしょう。
疑問に思うことがあれば、地元の優良業者に相談するのが一番の近道です。
もし福岡で外壁塗装をご検討中なら、辻塗装までご相談ください。
辻塗装は、創業より40年間、地元福岡に密着して営業を続けてきた塗装専門店です。
経験豊かなプロの塗装職人が、あなたの塗装に関するお悩みになんでもお答えします。
お見積もりやご相談はもちろん無料ですので、お気軽にお問い合わせください。