高級感ある天然石調を外壁塗装する方法と注意点
住宅を守るために実施する外壁塗装は、建物の見た目を変化させるチャンスです。
「せっかく外壁塗装をするなら、高級感のある見た目に仕上げたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そんな方にオススメしたいのが、天然石調の外壁です。
近年では塗料も進化しており、塗装だけで様々な質感を表現できるようになりました。
外壁の色だけでなく質感にまでこだわれば、きっとあなたのお宅をより素晴らしい印象にできること間違いなしです。
高級感あふれる石材調の見た目の住宅なら、あなたの暮らしも豊かになるかと思います。
ただし、塗料の特徴や注意点を知っておかなければ、塗装後に後悔することになるかもしれません。
そこでここでは、天然石調の外壁に仕上げる際の注意点などを詳しく紹介していきます。
目次
外壁を天然石調に仕上げる方法
外壁を天然石調に仕上げるには、主に2つの方法があります。
まずは、天然石調の外壁を実現する方法について、それぞれ紹介しましょう。
石材調塗料で塗装する
外壁を天然石調に仕上げる1つ目の方法は、石材調塗料で塗装することです。
石材塗料とは、塗料の元である樹脂の中に、細かく砕いたセラミックや天然石を配合した塗料です。
実際にセラミックや天然石が使用されているため、質感や見た目もそれに近い物になります。
石材調塗料にも様々な種類があり、お好みの見た目を選ぶことができます。
レンガに近いような見た目や、大理石のような高級感あふれる見た目など、あなたの好みに合ったものがきっと見つかると思います。
天然石調のサイディングを使用する
近年の住宅の外壁材は、サイディングと呼ばれる板材で仕上げることがほとんどです。
サイディングの中でも主流なのが、セメントと繊維質を原料に作られる窯業系サイディングで、日本の約75%の住宅に使用されています。
この窯業系サイディングには、非常に多くのデザインがラインナップされています。
工場で作る製品なので、思い通りの見た目に整形しやすいのです。
そして、窯業系サイディングの多くに、天然石調のデザインが採用されています。
このような天然石調デザインのサイディングを選択すれば、天然石で住宅を作っているような雰囲気に仕上げることができます。
ただし、サイディングを取り替える場合は、塗装に比べて大掛かりな工事になります。
もちろん、その分費用も高額となってしまいます。
サイディング自体が傷んでしまい、交換が必要な状態であるなら別ですが、外観のデザインを変えるためだけにサイディング交換することは現実的ではありません。
天然石調の見た目に住宅を変身させたい場合、石材調塗料での塗装が最も現実的です。
次から、石材調塗料についてより詳しく見ていきましょう。
石材調塗料の塗装方法
石材調塗料には、細かく砕かれたセラミックや天然石が配合されています。
そのため、一般的な塗料とは塗装方法が異なります。
一般的な塗料は、ローラーや刷毛などを使い塗料を塗っていくのに対し、石材調塗料はスプレーガンなどを使い吹き付けていきます。
この方法は、モルタルの外壁に行う塗装と同じ工法です。
塗り方の違いはありますが、どちらの方法で塗装しても基本的には塗膜の性能に違いは出ません。
塗膜の性能の違いは、選択する塗料の種類によって生まれます。
より高機能な塗料を選べば、耐久性や防水性などが高まります。
ただし、塗膜の性能を発揮させるには、塗装方法によらず正しく施工することが重要です。
とは言え、吹き付け工法とローラー塗装には違いもあります。
吹き付け工法なら、塗料の飛ばし方を変化させ、様々な模様を塗膜で表現できます。
この模様は、石材調塗料と相性が非常に良いです。
吹き付け工法は、石材調塗料がもつ高級感あふれる印象を、ワンランク高めてくれる効果を持ちます。
石材調塗料のメリット
石材調塗料には、他の塗料にはない魅力があります。
また、他の塗料とは異なる材質のため、機能面でも違いがあります。
そこでまずは、石材調塗料が持つメリットを詳しく紹介していきましょう。
意匠性の高い見た目が実現できる
石材調塗料に使われる吹き付け工法では、スプレーで様々な模様を表現できます。
質感も本物の天然石のような凹凸を表現できるため、より住宅を高級感あふれる見た目に仕上げることができます。
また、吹き付けによる模様だけでなく、コテを併用することによりさらに複雑な模様を表現することも可能です。
コテで波模様を表現したり、虫食い模様で本物の天然石のように仕上げたり、あなたの希望に合った外観に仕上げることができます。
希望通りのこだわり住宅を完成させるために、石材調塗料が最適な選択肢になるかもしれません。
色褪せに強い
石材調塗料には、セラミックや天然石が配合されています。
天然石は、基本的に色褪せることはありません。
またセラミックの場合でも、高温で色を焼き付けているため色褪せには非常に強い特徴があります。
そのため、どのような石材調塗料を選択しても、美しい外観を長く維持することができます。
石材調塗料の最大の魅力は、高級感あふれる見た目にあります。
この見た目が長持ちしてくれることは、建物の外観にこだわる方にとっては大きなメリットといえるでしょう。
ただし、定期的な清掃など、メンテナンスは必要ですので注意してください。
様々な効果を持つ塗料がある
一言に石材調塗料といっても、その種類は多岐にわたります。
数多くの塗料メーカーが複数の塗料を販売しているので、あなたに合った塗料が見つかることでしょう。
そして、塗料の中には機能性を高めたものも販売されています。
たとえば、配合するセラミックの機能を活かして断熱性を高めたものや、セラミックの親水性を活かして汚れに強くした塗料などがあります。
機能性が高まるほど価格も高くなりがちですが、長く住むことを考えると一つの選択肢になるかと思います。
見た目だけでなく、機能の面も考慮して塗料を検討してください。
石材調塗料を使用する際の注意点
石材調塗料を採用する際には、注意すべきことがいくつかあります。
特に石材調塗料は一般的に広く使われる塗料ではないため、注意点をしっかりと考慮して検討してください。
塗装にスキルが必要
石材調塗料の塗装には、吹き付け工法が採用されます。
吹き付け工法はスプレーにより塗料を外壁に吹き付けますが、均一に塗装していくには熟練の技術が必要です。
もし、均一に塗装ができなかった場合は、塗膜の耐久性に問題が生じてしまう可能性もあります。
コテを併用して模様を付ける場合は、さらに高い技術が必要になります。
コテによる塗装は、左官職人による専門的な技術が必要なのです。
ただ最近では、高度な技術を持つ左官職人は減少しつつあります。
また、高い技術力を持った職人に依頼できた場合も、仕上がりは職人のセンスに頼るものになります。
もちろん希望は聞いてもらえますが、イメージ通りの仕上がりにするには、綿密な打ち合わせが必須といえます。
耐久性はベースの樹脂に左右される
「セラミックを配合した石材調塗料は耐久性が高い」と言われますが、一概にそうとも言い切れません。
なぜなら、塗膜の耐久性を決めるのは、塗料に使われている樹脂だからです。
石材調塗料に含まれるセラミックや天然石は、ベースとなる樹脂に配合されているにすぎません。
現在、外壁塗料の主流となっているシリコン塗料がベースなら、耐久性能は10年程度です。
より高価なフッ素塗料なら、耐久性能は15年以上になります。
外壁塗装は定期的に必要なメンテナンスなので、将来の事まで考えて塗料を選択するようにしてください。
価格が高い
石材調塗料は、現在主流のシリコン塗料に比べると、価格が高く設定されています。
通常の塗料にセラミックや天然石が配合されているので、その分価格が高くなってしまうのです。
塗装の最後には、表面を保護するトップコートも必要で、その分の費用も上乗せされます。
また、吹き付け工法で塗装するため、塗料が多く必要になります。
スプレーガンでの塗装は、塗料を広範囲に噴射するので、塗料のロスが多くなってしまうのです。
さらに、塗装の難易度が高いことから、技術料も割増しになるケースがあります。
塗料の重さに注意が必要
石材調塗料には、砕いたセラミックや天然石の粒が配合されています。
そのため、通常の塗料に比べて重くなることにも注意しなければなりません。
塗料が重くなると、外壁全体の重量が上がってしまい、耐震性に影響が出るおそれがあります。
また、外壁材が弱っている場合は、重さで外壁が反るなどの不具合がでる可能性もあります。
特に天然石が配合されたタイプは、重量の増加が大きいので注意が必要です。
軽量なセラミックが配合されたタイプの塗料なら、重さを心配する必要はなくなります。
まずは優良な外壁塗装業者に相談して、「石材調塗料を使っても問題ないか?」「どのような塗料が使えるか?」といったことをアドバイスしてもらいましょう。
次回塗装できる塗料が限られる
一度石材調塗料で塗装すると、外壁の表面に凹凸がある状態になります。
この凹凸が石材調塗料特有の高級感を演出するのですが、注意しなければならないこともあります。
この凹凸があるために、次回の塗装で選択できる塗料の幅が狭まってしまうのです。
石材調塗料の上から通常の塗料を塗装すると、密着性の面で不安が残ります。
そのため、同様の吹き付け工法による塗装が無難でしょう。
弾性塗料の上に施工することはできない
現在、弾性塗料で住宅を塗装しているのなら、残念ながら石材調塗料を使うことはできません。
これは、弾性塗料と石材調塗料の相性が非常に悪いためです。
弾性塗料は伸縮性を高めた塗料で、伸び縮みすることで塗膜が割れたりすることを防ぎます。
この上に固い石材調塗料を塗装してしまうと、柔らかい下地の動きにより塗膜にひび割れが入る恐れがあるのです。
塗膜がひび割れてしまうと見た目にも悪く、雨水の浸入による劣化の問題もあります。
現在の住宅の状況まで考慮して、塗料は最適なものを選ぶようにしてください。
悪徳業者がセールストークで使いがち
もう一つ、塗料自体の注意点ではないのですが、石材調塗料は悪徳業者にも注意が必要です。
石材調塗料は見た目が高級感あふれるため、良い塗料と誤認させやすいのかもしれません。
また、「セラミックが配合されているから長持ちする」といった、怪しいセールストークにも利用されることが多いようです。
先述していますが、塗膜の耐久性は塗料に使用されている樹脂によって左右されます。
多少の効果は期待できますが、セラミックや天然石が配合されているからと言って、寿命が劇的に伸びることはありません。
「セラミック配合だから30年以上持つ」などと言ったセールストークを行う業者は、ほぼ悪徳業者と思って間違いないでしょう。
天然石調サイディングの塗装方法は?
ここまで、石材調塗料のメリットや注意点についてみてきました。
一方で中には「すでに天然石調のサイディングだからメンテナンス方法を知りたい」という方もいるかもしれません。
そこでここからは、天然石調サイディングのメンテナンス方法をお伝えしていきます。
サイディングの見た目が天然石調であっても、必要なメンテナンスは通常の外壁と同様です。
表面に塗装が施されていますので、塗膜が劣化したら再塗装が必要になります。
再塗装した後も石材調の見た目を活かすなら、クリア塗料での塗装をする必要があるでしょう。
色が着いた塗料で塗装すると、当然ながら現在の石材調の見た目は塗りつぶされてしまいます。
ただし、クリア塗料で塗装する場合は、現在ある外壁の傷などを隠すことができません。
もし外壁の表面に傷や劣化が目立つのなら、上から塗りつぶしてしまった方が美しい見た目になる事も考えられます。
外壁の状態によって、ベストな選択は異なってくるでしょう。
まずは、優良な塗装業者外壁の状態を見てもらうと、正しい選択ができるかと思います。
石材調塗料での外壁塗装も辻塗装までご相談ください
石材調塗料の一番のメリットは、高級感あふれる見た目にあります。
住宅の見た目にこだわるのなら、選択肢の一つとして検討してみるといいでしょう。
ただし、石材調塗料で外壁を塗装するには高い技術力が必要です。
そのため、業者選びが非常に重要になってきます。
特に外壁塗装の業者の中には、技術力の低い業者も存在していますので注意が必要です。
もし、石材調塗料で外壁塗装を検討しているのなら、私たち辻塗装にご相談ください。
辻塗装は創業40年の実績を持つ、経験豊富な塗装専門店です。
技術力の高い塗装職人があなたの住宅の状態を診断し、希望を考慮したうえで最適な塗装プランをご提案いたします。
もちろん、ご相談やお見積もりは無料で承りますので、まずはお気軽にお問い合わせください。