必ずチェックしたい外壁塗装の付帯部分とは?
外壁塗装の際には、外壁以外の部分も含まれることをご存じでしょうか。
たとえば、雨樋や雨戸などの外壁周りの箇所は「付帯部分」と呼ばれ、外壁と合わせて塗装を行うことがほとんどです。
メインの外壁の方に目が行きがちで、付帯部分に関してはあまり気にかけずに契約を進めてしまうこともあるかもしれません。
どこまでを付帯部分に含めるのかは、業者によって考え方が異なります。
てっきり一緒に塗装をしてもらえると思っていたら、その部分は工事の範囲外だったということも少なくありません。
そのため、工事を依頼する際には、付帯部分にどこが含まれているのかを確認する必要があります。
そこでここでは、外壁塗装の際に含まれる付帯部分について解説します。
ぜひ、より良い外壁塗装を実現するために参考にしてみてください。
目次
付帯部分とは
外壁の塗装工事で、外壁以外に塗装する部分を付帯部分と呼びます。
日本の家屋はその気候に合わせた建物にするために、複雑な構成になっており多くの付帯部分があります。
主な付帯部分には、以下のものがあります。
軒天
外壁より外側へ出ている屋根の裏側が、軒天です。
軒下、軒裏とも呼ばれます。
立派な和風の建物や、縁側の上部などでは、1メートルほどの大きさの軒天もあります。
反対に、モダンなデザインの建物では軒天がない場合もあります。
雨樋
雨樋は、屋根などに落ちた雨を集めて、下へ落とすための排水用の筒状のものです。
塩化ビニール製のものが一般的です。
横に向かって渡されている樋を「軒樋」、上下に渡されている樋を「竪樋」と呼びます。
また、樋と樋をつなげる接続部に使われる集水器やエルボ、樋を外壁に取り付けるための金具も付帯部に含まれます。
雨戸、シャッター
窓サッシの外側に、窓を保護するために取り付けられている戸を雨戸あるいはシャッターと呼びます。
雨戸は昔ながらの建物に多く、木製や金属製のものが多いです。
最近では、アルミや鋼板製で上部に格納するシャッターが主流です。
雨戸戸袋、シャッターボックス
雨戸をしまうための、箱状の入れ物が戸袋です。
雨戸は、横へスライドさせて戸袋へ収納します。
一方シャッターは、上部へ巻き込んでシャッターボックスへ収納します。
シャッターボックスの多くは、スチール製です。
庇
庇は、窓の上部などに取り付けられた、小さな屋根状のものです。
アルミやポリカーボネート製の物が多いです。
破風板、鼻隠し
破風板とは、屋根を横から見たときに三角形になっている面の先端に取り付けられている板です。
一方、屋根を横から見たときに三角形ではない方の面の先端、地面と平行になっている部分に取り付けられている板を鼻隠しといいます。
どちらも、切妻屋根に見られる付帯部分です。
以前は木材が使われていましたが、現在では窯業サイディングやガルバリウム製のものが増えています。
幕板、帯板
幕板は、外壁の1階と2階の境界や、外壁と基礎の境界によく取り付けられている横長の板です。
帯板と呼ばれる場合もあります。
縦につけられている場合もあり、主にアクセントとして見た目を良くするためにつけられています。
木材の他に、窯業系サイディングやガルバリウム製のものがあります。
笠木
ベランダの腰壁の上部に、かぶせるようにして取り付けられているものが笠木です。
腰壁を、雨などの刺激から守る役割があります。
アルミ製やステンレス製のものが多いです。
水切り
水切りは、外壁と基礎の間や窓枠の下に設置されている部材です。
雨水で外壁が汚れることや、室内や土台へ雨水が浸入することを防ぐ役割があります。
アルミやスチールなどの金属製のものが多いです。
基礎巾木
家の土台部分の、基礎と呼ばれる部分です。
コンクリートでできていますが、多くは表面がモルタルで仕上げられています。
エアコンのダクトカバー
家を建てた後に、エアコンを設置した際には、外壁にエアコンのダクトが取り付けられます。
このダクトの見栄えをよくするために、ダクトにはカバーが付けられています。
ダクトカバーは、家の付帯部分ではありませんが、外壁に取り付けられているため、同時に塗ることがあります。
付帯部分は外壁塗装に含まれる?
付帯部分にも塗装が必要です。
では、外壁と付帯部分は同時に塗るのでしょうか?
実は、付帯部分は塗る場合と塗らない場合があります。
一般的に外壁塗装に含まれることが多い箇所は、雨樋、軒天、破風板、雨戸、戸袋、庇です。
その他にも、塗るかどうかの判断材料がいくつかあります。
塗装に向かない材質
アルミ製など、塗装に向かない材質でできている部分は基本的には塗りません。
なぜなら、アルミなどは塗料が密着しにくい性質のため、塗装をしてもすぐに剥がれてしまうからです。
とは言え、最近ではアルミに塗装できる塗料も開発されていますので、塗装をしようと思えばできます。
しかし、一般的には塗装しないことが多いです。
アルミ製の部材がよく使われるのは、サッシやベランダの笠木などです。
アルミ製の部材は耐久性が高く、新品時に施工されている塗装が数十年持つとされています。
そのため、塗装をしなくてもあまり問題はありません。
劣化が気になる場合に限って、塗装を検討すればよいでしょう。
劣化具合によって判断
付帯部分の材質は木製や鉄製、塩化ビニール製など多様で、外壁の塗装と同じタイミングで劣化が進んでいるとは限りません。
状態が良い場合には、塗装をしない選択肢もあるでしょう。
外壁とは別のタイミングで屋根の塗装を予定している場合には、付帯部分はどちらか一方のタイミングで塗装をすれば十分と考えられます。
また、破損している場合には、交換などで対応する方が適している場合もあります。
交換するほどの劣化ではない場合には、塗装をして寿命を長くするとコストパフォーマンスが上がります。
業者の方針
業者によっても、付帯部分の取り扱いは異なります。
付帯部分を初めから見積もりに含んでいる場合と、要望があった場合にのみ追加する場合があるのです。
一部の悪徳業者は、付帯部分の塗装を省くことで安く見積もることもあり注意が必要です。
まずは付帯部分の塗装について、見積書で正確にどの部分が含まれているか確認しましょう。
「含まれている」あるいは「含まれていない」根拠を聞いてみると、より納得できます。
丁寧に説明をしてくれる業者であれば安心です。
複数の業者で見積もりをとってみると、付帯部の扱いについて違いがわかりやすいかもしれません。
付帯部分の塗装は、業者によっては専門外の場合もあります。
たとえば、アルミサッシの塗装を頼んでも、業者の技術力次第では対応してもらえない場合もあるでしょう。
また、ベランダの床は特殊な防水加工が必要なため、一般的には防水塗装の専門業者しか塗ることができません。
付帯部分については、それぞれの箇所について塗装を頼むことができるか相談が必要になってきます。
見積りの確認方法
見積書の項目に、付帯部分の塗装が明記されているかをチェックしてください。
もし「付帯部分塗装 一式」となっている場合には、一式に含まれる箇所がどこなのかをはっきりさせましょう。
業者によって、一式の範囲は異なります。
工事後に、「塗ってもらえると思っていたら塗ってもらえなかった」というトラブルを防ぐためにも、見積もりの段階でしっかりと確かめましょう。
もし、劣化が気になっている個所が見積もりに含まれていない場合には、追加してもらえるかどうか相談してみましょう。
たとえば、ウッドデッキのような箇所は、一般的には基本の見積もりに含まれていることは少ないですが、頼めば追加してもらえるケースが多いです。
付帯部分を塗装するメリット
「金額が上がるなら、付帯部分までは塗らなくても・・・」と思われる方も多いと思います。
しかし、付帯部分の劣化は、のちに建物にも影響を与えます。
たとえば、破風板や笠木など、建物を守る役割がある部分が破損してしまうと、雨漏りの原因になることもあります。
そこで、傷みがひどくないうちに塗装をして保護をすることで、建物を長持ちさせられます。
外壁と同時に付帯部分を塗装することは、次のようなメリットもあります。
足場がある
2階建て以上の家屋の場合、塗装は足場を組んで作業をします。
一般的な戸建ての足場代は、約20万円です。
付帯部分だけを別の機会に塗装するとなると、足場代が別途かかってしまいます。
足場がある時に、合わせて付帯部分の工事をすると足場代の節約になるでしょう。
外壁が新しくなると古い箇所が目立つ
外壁を綺麗にすると、あまり気にならなかった付帯部分の劣化が目立つ場合があります。
もしかすると、少しアンバランスな印象になるかもしれません。
せっかくなら付帯部分も合わせて綺麗にして、新築時のようにすっきりとさせたいものです。
長持ちする
塗装には、見た目を綺麗にするだけでなく、建材の保護をする役割もあります。
また、小さなキズは塗装で修復されます。
劣化の程度がひどくない場合には、塗装をすることで付帯部分をより長持ちさせることができます。
ただし、付帯部分をある程度の年数で交換する予定がある場合には、塗装は必須ではないでしょう。
付帯部分の塗装の手順
基本的に、付帯部分の塗装の工程は外壁と同様です。
外壁の洗浄と合わせて付帯部分も洗浄を行い、必要であれば補修を行います。
次に、ケレン作業という、やすりなどで表面の状態を整えて塗料をつきやすくする下処理を行います。
その後は下塗りをした上で、上塗りを1回または2回塗ります。
付帯部分に使われる塗料は、外壁に使う塗料と同じ場合もありますが、用途に合わせて違う塗料を使う場合もあります。
これは、素材によって適した塗料が異なるためです。
油性塗料であれば大半は金属や塩化ビニールにも対応していますが、水性塗料は密着性がやや弱い傾向があります。
そのため、付帯部分には油性塗料を使用することが多いです。
付帯部分の塗装費用
付帯部分も外壁と同様に、塗装する面積に対して単価を掛け合わせて見積もるのが一般的です。
たとえば、雨樋は家の周りに張り巡らされていますので、トータルの長さによって料金が変わってきます。
家のサイズが大きくなるほど、付帯部分の面積も増えていくでしょう。
参考までに、平均的な30坪程度の戸建てで、軒天、破風板、雨樋、幕板、水切りを塗装した場合には、付帯部分だけで10~40万円程度かかります。
使用する塗料のグレードや、家のデザインによっても費用は大きく変わります。
付帯部分の塗装の注意点
付帯部分でも、塗装の工程は外壁と大差ありません。
しかし、付帯部分ならではの注意点があります。
補修が必要な場合
付帯部分は過酷な環境にある場合が多く、外壁よりも劣化しやすいことがあります。
そのため、補修が特に重要な作業です。
たとえば鉄部では、サビが生じていることがよくあります。
サビは放置すると進行してしまうため、きちんと補修しなくてはなりません。
雨樋は塩化ビニール製の場合、経年劣化していきます。
そのため、塗装のタイミングによっては補修より交換が適切な場合もあります。
また、大雨や大雪などの自然災害で、破損をしてしまうこともよくあります。
交換するほどの損傷ではなく補修で対応できる場合には、シーリングや接着剤を使いひび割れの補修などを行います。
外壁と耐久年数をそろえる
付帯部分の塗装を単独で行うと費用や手間がかかってしまうので、できるだけ外壁の工事と同じタイミングで行いたいものです。
また、外壁と付帯部分を同時に塗装する際には、次の塗り替えタイミングも同じになるように、同じ程度の耐久性を持たせられるように考慮するのがおすすめです。
耐久性に大きく影響するのは、塗料のグレードと塗装回数です。
付帯部分を軽視して安い塗料で、1回塗りとしてしまうと、次の外壁塗装まで持たずに劣化してしまうかもしれません。
付帯部分の塗装は下地プラス1回塗りを提案する業者もあるようですが、塗膜を厚くして長持ちさせられるよう2回塗りをすると安心です。
費用はかかってしまいますが、耐久性も重視するとよいでしょう。
色のバランス
付帯部分はそれぞれの場所に応じて、色を好みで選ぶことができます。
外壁になじむよう同じ色にすることもできますし、アクセントとして違う色を選ぶこともできます。
全体のバランスを見たときに、あまり多くの色を使うとまとまりが無い印象になってしまうので、色は2~3種類に収めるようにするとよいでしょう。
付帯部分の色は、外壁や窓枠、屋根に使われている色に合わせると違和感なく馴染みます。
付帯部分の塗装も辻塗装にお任せください
外壁塗装を依頼するときに、付帯部分については意識をしていない人が多いかもしれません。
しかし、軒天や破風板などの付帯部分も風雨の刺激から家を守る大切な部分で、メンテナンスが重要です。
大きな不具合が起きる前に、定期的な塗装で保護していくとよいでしょう。
外壁塗装と同じタイミングで塗装をすると、低コストで長持ちさせることができます。
良心的な業者であれば、見積もりの際に付帯部の塗装も提案してくれます。
劣化の具合など、塗装業者のアドバイスを参考にしながら決めるとよいでしょう。
逆に、付帯部分について見積書にまったく記されていない場合や、ざっくりした見積もりでどの付帯部分が含まれるかわからない場合には注意が必要です。
もし、福岡で外壁塗装をご検討中なら私たち辻塗装にご相談ください。
辻塗装では、お見積もりの前に建物を細かく診断し、建物を長持ちさせるために必要な塗装を工事施工計画書・施工要領書にしてお渡ししております。
もちろん、お見積もりは無料で承ります。
分かりやすく工事内容のご説明も致しますので、安心してご連絡ください。