外壁塗装のベストなタイミングはいつ?劣化を見分けるポイント
一戸建てを所有していると、家のメンテナンスも心配事のひとつですよね。
外壁の塗り替えを検討する時はどんな時でしょうか?
同じくらいの築年数の近所の家が外壁塗装をしている、訪問業者が来て外壁が傷んでいると言われた、外壁は10年で塗り替えという話を聞いた、などなど色々きっかけはあると思います。
「うちもそろそろかな?」と思いつつ、決め手がなくて重い腰があがらないという人も多いでしょう。
外壁の塗り替えは費用もかかりますし、それなりの期間も必要です。
「見た目にはまだまだ綺麗だから後で」とつい考えてしまいますよね。
「できればコストはかけたくない」「でも家は長持ちさせたい」そのための外壁の塗り替えのベストなタイミングはいつなのでしょうか。
また、塗り替えは必ずしなくてはならないものなのでしょうか。
ここでは、塗り替えのタイミングを判断する方法を紹介します。
目次
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外壁の種類
外壁と一口に言っても、素材は様々です。
外壁材によって、メンテナンスの方法も違ってきます。
まずは自宅の外壁材がどの種類なのかをみていきましょう。サイディング
現在新築戸建ての約9割は、サイディングという外壁材が使用されています。
サイディングとは、外壁の表面にデザイン性の高い板を張り付けたものです。主原料であるセメントに、繊維質などを混ぜているものを「窯業系サイディング」と呼びます。
窯業系サイディングは、レンガ調、タイル調など様々な見た目の外壁を楽しめます。
また、表面がアルミやガルバリウムといった金属でできている「金属製サイディング」もあります。メンテナンス面では、サイディングをつなぎ合わせているシーリングが劣化しやすく、5~10年でメンテナンスが必要となります。
また、サイディング自体には防水性がなく、防水性のある塗料で塗装することで防水性能を持たせているため、防水性能がなくなる前に塗り直しが必要になります。塗り直しの年数は塗料によっても異なりますが、8~12年程度が目安となります。
サイディング自体の寿命は30~40年ですので、サイディング自体に反りや浮き、破損などが起きない限りは張り替えをせずに塗装のメンテナンスだけで済みます。モルタル
モルタルをコテで塗りつけた壁です。
1990年頃までは多くの住宅で採用されていましたが、近年の新築戸建てではあまり見られなくなりました。
吹付タイル、リシン、スタッコなどの種類があり、模様や質感の違いがあります。モルタルの外壁では、クラックと呼ばれるひび割れが発生することがあります。
ひび割れの部分から雨水が侵入し、塗装の剥がれや外壁の剥がれにつながるため、クラックが発生したらメンテナンスを検討する時期です。水に弱いモルタル剤は、塗料で覆うことが必要になります。
こちらも塗料により寿命が異なりますが、8~12年程度が塗料の塗り替えの目安となります。ALC
軽量気泡コンクリートとも呼ばれるもので、内部に気泡の入った軽いコンクリートでできた外壁材です。
板状に加工されたALCパネルを、外壁として貼り付けます。つなぎ目のシーリングが劣化しやすく、5~10年でメンテナンスが必要になります。
またALCパネルが吸水性の高い素材のため、耐候性を持たせるために塗装がされています。塗装は少しずつ剥がれていくため、ALCパネルに大きな損傷がなくても表面の塗装の塗り直しが必要になります。
塗料によっても異なりますが、8~12年程度が目安となります。
ALCパネル自体の寿命は60年と言われていますので、ALCパネル自体に反りや浮き、破損などが起きない限りは、張り替えをせずに表面のメンテナンスだけで済みます。その他
RC(コンクリート打ちっぱなし)は、基本的にメンテナンス不要です。
タイル貼りの場合は、タイル自体は耐久性が高く塗装も不要なので目地のメンテナンスのみで済みます。まとめると、一般的な外壁塗装のメンテナンスは10年が一つ大まかな目安になります。
シーリングのメンテナンスはどうする?
サイディングやALCの場合、シーリングの劣化が塗装の劣化より早いというポイントがあります。
シーリングだけを先に補修して、塗装は別のタイミングでという選択肢もあるのでしょうか?一般的には目立ったシーリングの劣化がなければ、塗装と同じタイミングでシーリングの補修も一度に工事するパターンが多いようです。
工事をまとめることで、工事費の節約が見込まれます。ただし、シーリングの劣化が見つかった場合は、重大な雨漏りにつながる恐れがあります。
そのため、補修を先延ばしにせずシーリングだけでも早めに対処する必要があります。少しの節約のために雨漏りが発生してしまい、のちのち大きな修繕費が発生しては元も子もありません。
10年というのはあくまでも目安として、家によって条件は異なることを頭にいれておきましょう。塗料の耐用年数について
外壁材を覆っている塗装膜に使われている塗料の中には、「20年持ちます」という謳い文句の高耐久性塗料もあります。
しかしあくまでもこの年数は目安であり、その間まったくメンテナンスをしなくていいというわけではありません。
一般的な塗料より長持ちするかもしれませんが、適宜状態を確認していく必要があります。反対に、新築時に費用を抑えるために、外壁に安価な塗料を使用している場合があります。
一般的に使われている塗料はシリコン系で、10年前後の耐久性があります。しかし、アクリル系やウレタン系の安価な塗料は、耐久性が低く3~5年で塗り替えが必要なものもあります。新築時の塗料がわかる資料があれば、確認してみるとよいでしょう。
このように塗料によっても耐久年数が変わってきますので、塗り替えの際もコストだけでなく、耐久年数を考慮したランニングコストをふまえて塗料を選択するとよいですね。
外壁の劣化の見分け方
大まかには10年とはいえ、立地条件や日の当たり方などによって、劣化の仕方は家によって異なります。
地震や台風などの自然災害の影響を受けることもあります。早めにメンテナンスが必要になる場合もあるので、外壁をこまめにチェックするとよいでしょう。
主な外壁の劣化のサインは、以下のようなものがあります。変色・退色
外壁の色が変色していたら、劣化のサインです。
主に太陽の光に当たって、塗装が劣化することによって起こります。
すなわち、変色=塗装が十分な性能を果たせなくなっていると考えられます。濃い色の外壁ほど熱を吸収するので、紫外線の影響を多く受けています。
多少の変色なら、慌てて塗り替える必要はありません。
変色に気づいたら、他に劣化のサインはないか確認した方がいいですね。チョーキング
外壁を手でこすった時に、チョークのような白い粉がつくことをチョーキング現象といいます。
これは、紫外線や水分の刺激で、塗料に含まれる顔料が劣化し粉状になることで発生します。外壁を覆っている塗装が剥がれてきていると考えられます。
少し手に付く程度ならまだ大丈夫ですが、手が真っ白になる程になったら外壁の塗り直しをそろそろ検討する時期です。
触ればわかるので、簡単に調べてみることができます。コケ、カビ
風通しや日当たりの悪い場所などで、外壁が緑色になりコケがついたり、水滴が当たりやすい場所で壁が汚れていたりすることがあります。
これは外壁が劣化し、表面が保水性を持ってしまうことにより、コケやカビが生えやすくなっているのです。コケやカビも、塗装が劣化してきている兆候といえます。
最近の戸建ては軒先がない場合も多いので、雨が外壁により当たりやすくなり、傷みやすくなっている場合もあります。ひび割れ(クラック)
壁にひび割れが生じてしまうと、雨水が入り込む可能性があります。
小さなひび割れは、塗膜が年月の経過で硬くなり発生します。大きなひび割れは、塗装膜のさらに下にある下地素材が割れている場合があります。
下地まで割れてしまっていると、雨漏りにつながる可能性が高くなるので注意してください。建物に傾きが発生して壁に力がかかり、ひび割れが発生することもあります。
大きな地震が発生した後は、外壁を確認した方がよいでしょう。ひび割れにも原因は様々で、補修が必要な場合もあれば、塗装だけで対応できる場合もあります。
大きなひび割れを見つけたら、まずは専門家に相談した方がよいでしょう。また、外壁そのものではなく、サイディングのつなぎ目のシーリングにひび割れが発生するパターンも多いです。シーリングは5~10年で劣化してしまい、ひび割れが発生します。
日当たりの良い面ほど、ひび割れも発生しやすくなります。
シーリングが完全に裂けてしまい、中が見えてしまっている場合は重症です。塗装膜の反り、浮き、剥がれ
劣化の中でもかなり深刻な事例です。
反りや浮き、剥がれは、劣化が進み、塗膜が外壁から剥がれてしまっている状態です。外壁は塗膜のない状態では無防備です。
塗膜に重大な問題がある場合は、下地へダメージが出ていることも考えられます。
塗り替えをせず15年、20年が経つとこのような症状が現れやすいです。
下地へのダメージが深刻であるほど修繕費もかさむため、早急に対応した方がよいでしょう。劣化が原因だけでなく、新築時の施工不良の可能性もあります。
年数にかかわらず、塗装膜の剥がれが見られたらすぐに専門家に相談しましょう。サイディングを始めとしたほとんどの外壁材は、建材自体には防水性がなく、防水性能を持った塗料で覆う(塗膜)ことで防水対策をしています。
そのため塗膜面が劣化すると、雨漏りの原因になります。また、雨漏りからシロアリを呼び寄せるなど二次的な被害を受けることもあります。
劣化が進んでしまう前に、外壁の塗り直しをすることは、家の土台を守るためには重要なことです。
劣化のサインを見逃さないようにしましょう。自己診断をしつつ、定期的に専門の業者にも見てもらいましょう。
ただし、訪問業者がやってきて「あそこが傷んでいる」「ここも直さないと」と言われた場合は、不安をあおって契約させようとしているだけかもしれません。
鵜呑みにせず、相見積もりをとるなど、冷静に判断しましょう。無料で外壁診断をしてくれる業者もありますので、心配な点があったら専門の業者に相談してみるとよいでしょう。
外壁塗装に適した季節
いよいよ外壁塗装を頼もうかと考えた時に、施工する季節が気になりますよね。
「梅雨時でも施工できる?」「台風や雪の時はどうなる?」「割引の多い時期はある?」など、どの季節が適しているのか、考えてみたいと思います。結論からいうと、一年中どの季節でも外壁塗装はできます。
中でも、工事する側にとってのベストシーズンは春、秋です。
雨が比較的少なく気候が安定していて、予定通りに工事が進みやすいということが挙げられます。そもそも塗装をするためには、気温が5度以上、湿度が85%未満という条件を満たす必要があります。
そのため、条件を満たしやすい春、秋は繁忙期です。
発注する側からしたら、希望した日程での予約がとりにくい、担当者の方が忙しくて対応が雑になってしまう、などのデメリットもあります。まずは季節ごとのメリット・デメリットをみていきましょう。
春
メリット
気候が安定している。
デメリット
新学期、入社などのイベントと重なると落ち着かない。花粉症の影響で作業効率が落ちる場合がある。施工金額が高めになる場合がある。
夏
メリット
晴天の確率が高い。
デメリット
梅雨や台風の時期は工期が長引きやすい。暑くても窓があけられない。
秋
メリット
気候が安定している。
デメリット
秋雨前線、台風が来る可能性がある。繁忙期のため希望の日程の予約がとりづらい。施工金額が高めになる場合がある。
冬
メリット
年越し前、来客シーズンの前に家を綺麗にできる。雨天の確率が低い。
デメリット
雪が降る可能性がある。気温が低すぎる場合がある。乾きが遅く、工期がやや長い。
結局は、この時期なら100%大丈夫という季節はありません。
また、知識があり丁寧な施工ができる業者であれば雨の時期でも施工不良は発生しません。一方、日程を詰め込んで延期の余裕がなく、無理な作業をしてしまうような業者は危険です。
季節を選ぶとともに、質の高い施工ができる業者を探すことも必要となります。繁忙期の春や秋に施工したい場合は、早めに業者に問い合わせることで希望の日程での予約が取りやすくなるかもしれませんね。
人気のある業者では3か月先まで予約で埋まっているということもあります。
希望の時期がある場合は、3か月くらい前から動き始めるのがおすすめです。ただし、「どうしても秋のうちにやってしまいたい」と季節を重視するあまり、無理をしてでも応じてくれる業者を選んでしまうと、実は悪質な業者だったということになりかねません。
そんなことにならないよう、計画的に余裕を持って業者選びをしましょう。また、自治体によってはエコリフォーム支援として、外壁塗装に補助金を出している自治体もあります。
補助金を受けられる期間があれば、決め手のひとつになるかもしれません。
それぞれの季節のメリット・デメリットを知った上で、自分にとってのベストな時期を見つけられるといいですね。外壁塗装のことなら辻塗装におまかせください!
このように、外壁の塗り直しは見た目を綺麗にするだけでなく、家を保護するという機能面からも重要であることがわかります。
塗装された外壁は、年々劣化が進んでいきます。
家は1軒1軒状態が異なるので、あなたの家に適した塗り替えのタイミングを見つけることが大切です。早めの対応が、長い目で見ればコストを減らすことにもつながります。
信頼できる専門家と上手に相談しながら、それぞれの家のベストなタイミングで塗り直しをしていけると住宅を長持ちさせることができるでしょう。もし、外壁の劣化が気になるようでしたら、私たち辻塗装にご連絡ください。
私たちは完全自社施工管理で塗装工事を実施しますので、調査段階で適切なメンテナンス方法をきちんとご提案することができます。
もちろん、調査を依頼したからといって、しつこく営業をかけるようなことはいたしませんので、お気軽にご相談くださいね。