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外壁塗装に使う吹き付け工法の特徴。ローラー塗りとの比較も紹介

外壁の塗装方法は、ローラーを使って塗料を塗っていく方法が主流となっています。
ローラーをコロコロと転がす姿を見ると、なんとなく自分でもできそうな気がしてしまいます。

一方で、最近減少しつつあるのが吹き付けによる外壁塗装です。
減少してきてはいますが、ローラー塗りに比べて劣っている部分はありません。
むしろ吹き付け工法は、ローラー塗りでは実現できない塗装が可能で、魅力溢れる塗装方法になっています。

ここでは、吹き付け工法がどのような塗装方法なのか、メリットやデメリットも含めて詳しく紹介していきたいと思います。

目次

  • 吹き付け工法とは?

    吹き付け工法とは、専用の機材で塗料を霧状にして噴射する塗装方法です。
    スプレー缶で塗装するイメージをしてもらえば、非常に分かりやすいでしょう。

    外壁塗装の場合はスプレー缶を使用することはなく、専用の機材を用いて塗料をスプレー状にして噴射します。
    外壁のような広い面積を塗装するのに、スプレー缶を使っていてはコストがかかりすぎてしまいますからね。

    ローラー塗りが主流となった今でも、外壁に施す模様や作業環境によっては吹き付け工法が活躍します。
    どちらが優秀というわけでもないので、業者とよく打ち合わせをした上で最適な塗装方法を選択するようにしてください。

    吹き付け工法に必要な道具

    吹き付け工法には、塗料を霧状に噴射するスプレーガンと呼ばれる機材を使用します。
    スプレーガン無しには、吹き付け工法を実施することができない非常に重要な機材です。

    スプレーガンは、以下の2つのタイプに分けることができます。

    エアスプレーガン

    エアスプレーガンは、圧縮した空気を使って塗料を噴射します。
    重力式、吸上式、圧送式の3つのタイプがありますが、圧縮した空気を利用することに変わりはありません。

    圧縮した空気が飛び出す勢いに塗料を乗せるため、塗料が飛散しやすいという弱点があります。
    また、空気と塗料が混ざって噴射されるため、塗膜も薄くなりがちです。
    最近では、タイル吹きやスタッコのような吹き付けでしか表現できない塗装にのみ、エアスプレーガンが使われます。

    エアレススプレーガン

    エアレススプレーガンは、塗料に直接圧力をかけ噴射します。
    圧縮した空気と塗料が混ざることがないので、一度に多くの塗料を噴射することが可能です。

    さらに、塗料だけを噴射するため、粘度の高い塗料も使用できます。
    外壁塗装にとっては作業性が良くなるので、エアレススプレーガンの方が主流として使われています。

    吹き付け工法のメリット

    吹き付け工法は、古くから外壁の塗装方法として使われています。
    今でも廃れることなく残っているということは、それだけのメリットがあるということです。

    吹き付け工法には、以下のようなメリットがあります。

    立体感のある塗装が可能

    吹き付け工法による塗装では、表面に凹凸を設けた立体感を表現することが可能となります。
    また、ランダムで複雑な模様を再現したり、重厚感溢れる質感を表現したりすることも可能です。

    「スタッコ仕上げ」「リシン仕上げ」「タイル仕上げ」といった、様々なバリエーションから質感を選択することができ、これらの仕上げはローラー塗りでは実現できません。

    砂や砂利を吹き付けたような見た目の外壁を、一度は見たことがあるでしょう。
    そのような外壁は、全て吹き付け工法により施工されています。

    また、機械が均一に塗料を噴射するため、ローラー塗りに比べ美しく仕上がります。
    ただし、全体を均一に塗装するには高い技術力が必要なので、業者の技術力に関しては十分吟味しなくてはなりません。

    施工時間が短い

    ローラー工法は、20cm程度のローラーで地道に塗っていくため、一人が1日に塗れる範囲はどうしても限られてきます。
    広い範囲を短時間に塗装しようと思ったら、それなりの人員を用意しなければとても間に合いません。

    一方、吹き付け工法は、機械の力を借りて広範囲に一気に塗料を飛ばすことができます。
    そのため、施工時間を段違いに短くできるのです。
    ローラー塗りと比べると、何倍も早く塗装できるともいわれています。

    特に広範囲を塗装する場合、吹き付け工法のメリットを最大限活かすことが可能となるでしょう。
    少ない労力で一気に広範囲を塗装できるため、工場や倉庫といった大きな建物の塗装にも向いていると言えます。

    また、施工に時間がかからないため、それだけ人件費などを安く抑えることも可能です。
    塗料はローラー塗りより多く必要ですが、総合的に見れば費用を安く抑えることもできるでしょう。

    狭い場所でも施工可能

    ローラー塗りの場合は、ローラー以外にも塗料を入れる缶などを手元に置いておく必要があります。
    そのため、ある程度の作業スペースがなければ仕事がはかどりません。
    極端に作業スペースが狭い場合では、塗装が困難なケースも出てくるでしょう。

    一方、吹き付け工法で施工する場合、スプレーガンに塗料を入れておくことができるので、作業スペースをそれほど必要としません。
    極端な話、人とスプレーガンが入るスペースさえあれば施工はできるので、特に狭い箇所では吹き付け工法の方が有利です。

    吹き付け工法のデメリット

    メリットも多い吹き付け工法ですが、デメリットももちろん存在します。
    デメリットもきちんと理解した上で、ローラー塗りと吹き付け工法からより適した工法を選択してください。

    吹き付け工法のデメリットは、以下の通りです。

    塗料のロスが多い

    スプレーガンは広範囲に塗料を噴射するため、塗料のロスが多くなります。
    塗装とは関係ない部分にも塗料が吹き付けられてしまうため、ローラー塗りと比べると、2割~3割も余分に塗料が必要と言われています。

    塗料は余分に必要となりますが、塗装作業が素早く実施できるため人件費は安く抑えることができます。
    そのため、コスト的には有利になることが多いようです。

    養生に手間がかかる

    吹き付け工法は広範囲に塗料を噴射するため、塗装の必要がない部分に塗料が飛散してしまいます。
    不必要な部分に塗料がついてしまわないようにするためには、養生をしっかりと行わなければなりません。
    塗料が広範囲に飛散する吹き付け工法では、その分広範囲を養生しなければならないので、通常より手間がかかることになってしまいます。

    もし養生を雑に行ってしまうと、関係ないところに塗料が付着してトラブルになることも考えられます。
    余計なトラブルを避けるためにも、少しコストがかかったとしても養生だけはしっかりと行ってもらってください。

    機械の騒音が気になる

    スプレーガンを使うためには、圧縮した空気を利用したり、塗料を直接圧縮したりする必要があります。
    そのためには、コンプレッサーやプランジャといった専用の機材を使用しなければなりません。
    この2つの機材は、運転中に大きな音を発生するので、作業中の騒音はより大きなものになってしまいます。

    また、スプレー特有の「プシュー」という音が気になるケースも考えられます。
    いずれにせよ、ローラー塗りと比べて騒音が大きくなることは避けられないので、事前に近隣の方への挨拶や説明は欠かさないようにしてください。

    塗装には技術力が必要

    スプレーガンにより均一な塗膜を形成するのは、見た目よりも高い技術力を必要とします。
    一定速度で前後左右にスプレーガンを動かさなくてはならず、速度が著しく変化すると塗りムラになってしまうのです。

    技術力の低い塗装業者に依頼してしまうと、仕上がりに不満が残る結果となりかねません。
    また、最近では吹き付け工法が減少しているため、対応できない業者も増えてきています。

    ローラーと吹き付けどちらが優秀?

    最近ではローラーによる塗装が主流となってきているので、吹き付け工法は劣っているようにも感じてしまいますよね。
    先ほど紹介したように、吹き付け工法にはデメリットも少なからず存在しています。

    しかし実際は、ローラーと吹き付けどちらが優れているというものではありません。
    ローラー塗装にはローラー塗装のよさがあり、吹き付け工法には吹き付け工法のよさがあるのです。
    正しい施工方法を守りさえすれば、仕上がりの美しさや機能に差はほとんど生まれません。

    そもそも外壁塗装の性能の差は、塗料の種類によって変わってきます。
    工法によって性能に差が出ることはないので、実現したい仕上がりや予算の都合を考慮して、最適な工法を選択してください。
    優良な塗装業者に相談しておけば、最も仕上がりが美しくコストの安くなる塗装方法を選択してくれるはずです。

    吹き付け工法が選ばれる場面

    現在吹き付け工法は、主にモルタル外壁の塗装の仕上げとして施工されています。
    もしあなたのお宅の外壁がモルタルでできているなら、基本的には吹き付け工法を選択することになるでしょう。
    モルタル外壁に施される立体感のある塗装は、吹き付け工法でなければ実現できません。

    とは言え、サイディングに吹き付け工法が採用できないというわけではありません。
    サイディングに吹き付け工法で塗装を施せば、既製品にはない立体感のある外壁を演出できます。

    吹き付け工法が減少している理由

    吹き付け工法が減少している最大の理由は、窯業系サイディングが外壁材の主流となったことが挙げられます。
    サイディングはローラーで簡単に塗装できるため、難しい吹き付け工法をわざわざ選択する必要がなくなったというわけです。

    作業スピードに関しても、一般的な住宅程度ならローラーで十分対応できます。
    また、ローラー塗りの方が塗料の飛散が少ない点も、吹き付け工法が減少している理由の一つとして挙げられるでしょう。

    特に最近は、住宅密集地のような家と家の距離が近いケースも多く、塗料が飛散すると近隣住民の方に迷惑をかけてしまう危険もあります。
    そこで、なるべく塗料が飛散しにくいローラー塗りが選ばれるケースが増えてきているということです。

    このような原因から、吹き付け工法による施工が減少しているため、近年では吹き付け塗装に対応した業者や腕のいい職人も減少傾向にあります。
    吹き付け工法により品質のいい外壁塗装を実現するには、今まで以上の業者の選定が重要になってきます。

    吹き付け工法をご希望の場合も辻塗装にご相談ください

    吹き付け工法とローラー塗りのどちらを選択したからといって、塗装の寿命が変化するわけではありません。
    適切に施工すれば、塗料の持つ最大限の機能を引き出すことが可能です。
    むしろ、状況に合わせて工法を選択する技術力が、塗装業者には求められるといえるでしょう。

    もし、吹き付け工法の外壁の劣化でお悩みなら、私たち辻塗装に相談してみてください。
    辻塗装には経験豊富な塗装職人が在籍しておりますので、質のよい外壁塗装をご提供できます。
    お客様一人一人とのお付き合いを大切にし、丁寧な作業を心がけておりますので、一度相談だけでもしてみてください。


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